ボードゲームとの付き合いはかれこれ20年近くになるといういけださん。約250個のボードゲームを所有しているのだそう。ハマったきっかけは、『モダンアート』というゲームだったという。今回紹介してくれたのは、全て私物。
いけだ:当時、同期芸人のラバーガールの飛永が高円寺に住んでいて、よく一緒に遊んでいたんですね。それで高円寺の駅前にあるボードゲーム専門店(すごろくや)に「ちょっと気になるから行ってみようか」って二人でふらりと入ったんです。そのとき、店員さんに勧められたのがコレだったんです。
――すごく地味なパッケージですね。初心者向けという感じが全くしませんが…。
いけだ:そうなんですよ。正直このパッケージを見たとき、僕も飛永も目を合わせて「ないな」って。つまらなさそうじゃないですか(笑)。でも、「やれば絶対ハマりますよ」と強く勧められて、じゃあ買ってみるか、と。で、プレイしてみたらめちゃくちゃ面白くて。店員さんの思惑通りでした。
プレイヤーは画商になって、競りで絵画を落札するというゲームなのですが、それを交渉することもできるんです。そんなゲームは今までやったことがなかったので斬新でしたね。
――いけださんの考える、ボードゲームの魅力を教えてください。
いけだ:人と会わないとプレイできないところ、ですよね。リアルなコミュニケーションの中で楽しむものなのがいい。ボードゲームって昔のファミコンゲームにちょっと似ていて、「不親切で難しい」んですよ。海外のゲームが多いので、取説が直訳丸出しの日本語で、よく分からなかったり。それをみんなでああでもない、こうでもない、と言い合いながら読み解くのが楽しいし、分かったときの達成感も大きいんですよ。
■シンプルだけど奥深い、おすすめボードゲーム4選
――では、初心者におすすめのボードゲームってどんなものでしょうか?
いけだ:プレイ時間が短く、プレイ人数が少ないものだと始めやすいですね。
プレイに何十時間もかかるものや中には1年(!)かかるものもありますから。人数も「2人から」など、少人数でかつ幅があるものがいいと思います。まずは恋人などと2人でやってみて、慣れてきたら人を集めてプレイしてみてください。
そんな観点で、いけださんが選んでくれたおすすめボードゲームのまずひとつめは、『クレイジータイム』。
いけだ:時刻の書かれたカードを出していき、カードがなくなったら勝ち。でも、実はこのゲームのキモは、ラウンドを重ねるごとに「新たなルールが追加される」こと。例えば「○時のカードが出たら〇時30分と宣言する」など…。各ラウンドで1人だけこの追加ルールを教えてもらえないというシステムのため、その人は他のプレイヤーの行動を見て、どんなルールが追加されたのかを推測しないといけないんです。これは盛り上がりますよ。
子どもと一緒にプレイするのにおすすめなのが、『コンプレット』『ハイパーロボット』。
いけだ:『コンプレット』は数字の書かれた木駒をルールに従って並べていくゲーム。『ハイパーロボット』は、目的地までロボット(コマ)を何手で連れていけるかを競います。どちらもシンプルだけど奥が深くて、大人も子どもも楽しめます。
『コンプレット』『ハイパーロボット』と同様、ルールはシンプルなものの、駆け引きがポイントになるのが『そっとおやすみ』。
いけだ:同じ絵柄を揃えるという、これ以上ないくらい簡単なルール。揃った人は手札を伏せ、それに気づいた人も同じように手札を伏せます。最後まで気づかなかった人が負けです。
いかにみんなの意識をそらすなどして気づかれないようにカードを伏せられるかが、このゲームのカギになります。