■PC市場も大きな変化を迎える予兆が……
ーー7月には「HUAWEI MateBook X」「HUAWEI MateBook E」という2台のパソコンを日本で発売しました。世界的には伸び悩んでるともいわれるPC市場に力を入れる理由は?
呉波:弊社は、人・車・家・オフィス、それそれのシーンに合わせた端末を出しています。端末ランナップを拡張していく中で、日本のPC市場は非常に重要と認識しています。なぜなら、過去10数年間、日本のPC市場は革新性に乏しく、変化も少なかったように感じています。使用感もそれほど優れているわけでもなく、そこにチャンスがあると思いました。かつて、フィーチャーフォン(ガラケー)からスマホに移行したように、PC業界においても大きな変化が起こると予測しています。
ーー実際には、どのような変化が起きるのでしょうか?
呉波:PCは、長きに渡り、“Windows & Intel” というアライアンスで固まっていますよね。一方、スマホでは、AndroidとiOSがあり、チップセットも、クアルコム製が多いとはいえファーウェイも作ってますし、他のメーカーのものもあります。PCも今後は、スマホと同じ道を辿っていくのではないでしょうか。
ーーそのための布石として、いまPCに注力している?
呉波:はい、そのとおりです。PC市場に進出して、低価格のモデルをリリースし、既存メーカーとパイの奪い合いがしたいわけではありません。製品がローエンド化して、UX(ユーザーエクスペリエンス)が悪くなるという、負のスパイラルに巻き込まれないようにしなければと考えています。
ーー将来的には、自社でPC用のUIやCPUを作る可能性も?
呉波:それはわからないです。なので、お答えできません。
■写真撮影に、もはやデジカメは不要!?
ーー呉波さんご自身は、現在、どのファーウェイ製品をお使いですか?
呉波:スマホはHUAWEI P10 PlusとHUAWEI Mate 9の2台を持ち歩いています。P10 Plusには、ライカの「SUMMILUX」レンズが搭載されているので、デジカメのように使っています。運動するときは、TalkBandを腕に巻いていますよ。
ーー「HUAWEI WATCH」は使ってないのですが?
呉波:日本では発売していないのですが、HUAWEI WATCHにはルビーのバーションがあります。それを妻にプレゼントしたら、とても喜んでくれて、愛用しているようです。人民元で6000元(日本円で約10万円)くらいでした。私は、お手頃のTalkBandを愛用しています(笑)。
ーースマホのカメラが高画質になり、デジカメを使う機会が減っている人が多いようですが、呉さんはいかがですか?
呉波:デジカメは2012年以来使っていません。いつもスマホで撮影しています。数年前、円安が進んだ時期に、友人から大手カメラメーカーの一眼レフカメラがお買い得だよと勧められたんですが、結局買わなかったので…。ここ数年の中では、再びデジカメを使う唯一の機会だったのですが、どういった場面で使うかを検討した結果、あまり使う機会はないなぁと。私は、日本では普段、スマホと財布しか持ち歩きません。中国では、モバイル決済が普及しているので、財布も持ち歩かなくなりました。スマホと会社のIDカードだけですね。
■ファーウェイの強みは“安心”
ーー日本では、まだファーウェイを知らない人もいます。そんな人に、ファーウェイという会社を説明するとしたら、どのように伝えますか?
呉波:その人が一般の消費者だとすると、「ファーウェイはグローバルで第3位のスマホメーカーで、年間売り上げが8兆円台。そして、非常にイノベーションを重視した先進的な会社である」と話すでしょう。やはり、数字を用いて紹介したほうが、相手がわかりやすいのではないかと思います。
ーー最後に、日本市場において、どんな会社でありたいと思いますか?
呉波:日本の消費者のみなさんに、安心して使ってもらえるスマホブランドでありたいですね。「安心」の2文字の後ろにはいろいろな意味が含まれます。品質、アフターサービスはもちろん、販売体系、ブランド知名度など、それら全部をひっくるめて、消費者に「安心」を実感していただきたいです。
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(取材・文/村元正剛)
iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。