■開発者インタビューの一問一答
今回は、サムスン電子 グローバル商品規格グループ Senior Professional、ソ・ジンさんがグループインタビューに応じてくれました。以下、その一部を一問一答形式で簡潔にご紹介します。
バッテリーに関する安全性をユーザーに向けてどのように提示していくのか?
サムスン電子としては、8つのポイントで、バッテリーの安全性の検査を実施しています。具体的には、(1)耐久性のテスト、(2)バッテリーの外観検査、(3)X線による内部テスト、(4)充放電の検査、(5)漏液が発生していないかどうかの確認、(6)絶縁テープの付着状況の確認、(7)使用状況下での試験、(8)常温状態での電安変化の確認、です。なお、YouTubeの動画でもこれらの取り組みが公開されています。
「S8+」が出たことでNote 8を”ファブレット”として選ぶ意義が減ると思うが、購買層は変化すると考えている?
サイズは近いが、S8+とNoteの顧客には(デザインなどの好みも含めて)差があると思っています。Noteシリーズはプロダクティビティとクリエイティビティに重点を落いています。
カラーに白や赤がない理由は?
通常、内部テストや消費者リサーチを行なって、モデル別に最適なカラーを選択しています。今回もその順序を踏みました。追加的に一部の国についてピンクなどを追加したこともあります。
このタイミングでデュアルカメラを採用した理由は?
Galaxyのカメラは明るいレンズやデュアルピクセルセンサーなどを先行して搭載し、画質を大幅に改善してきました。しかし、消費者としてはズームやポートレイト撮影などのニーズが出てきている事が分かったので、Note8では、デュアルカメラを搭載し、こうしたエクスペリエンスを提供しようと考えました。
iPhone Xはセンサーを複合的に活用して強固な顔認証を搭載した。Samsungとしての方向性は?
Galaxyの顔認証は利便性を優先しているので、iPhone Xのそれとは考え方が異なります。Galaxyのセキュリティ機能としては、強固な順から虹彩認証、指紋認証、顔認証となる。金融関連の認証など、危険だと思えるものには、顔認証は使えないようになっています。
* * *
Note8は、大画面、デュアルカメラなど、流行りを堅実に抑えてきたことで万能な端末に仕上がっています。そして、S Penが使えるのは、Noteシリーズのみの魅力です。
気になるバッテリーも、前モデルの反省もしっかり活かし、徹底して対策が施されている模様。むしろ他メーカーの製品より安心して使えるかもしれませんね。
とはいえ国内発売は未定。Noteファンの皆さんは今後も動向に注目です。
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(取材・文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。