■キャラクター誕生のコンセプトとは
サービスの内容は確かに便利そう。持ち運べるAIというと、一番近いのはSiriですが、あまり使いやすいと感じることは少ないのが現状。しかし今回、もっとも気になったのが四角い新キャラクターです。なんだか…とっても手抜…いやいやシンプル!
キャラクター担当の大場さんはこう言います。
「『my daiz』を開発するにあたり、どういったキャラクターが対話するのがいいかを考えたときに、羊のように“具体的”なキャラクターにするのか、シンプルな線で表した方がいいのか悩みました。実際のお客様の声などでわかったのは、キャラクターを作る上でのポイントは“目があること”だということ。結構いろんなパターンで検討したんですが、その中で身近なものに捉えていただける、例えば『豆腐』とか『コンセント』とか愛着を持っていただけるものを、キャラクターとして今回『my daiz』のキャラクターにしました」
豆腐! ぱっと見、「箱」かと思いましたが、なるほどシンプルだからこそ見る方のイメージに左右されやすいということのようです。このキャラクターこそが「my daiz(マイデイズ)」らしく、レコメンドやメッセージ中など、いろいろな場面で登場してくれます。
「四角いまっさらなキューブは普遍的なもので、どちらかというと、“お客様ごとに好き嫌いが別れない”というところも重要なポイント。でもこれ、コンテンツごとに形を変えるんです。シルエットを変えながら、『情報はこういう内容ですよ』というふうに合わせて自分を変えていく。そこがサービスの本質とも関わっていますし、なじみやすい部分だと思っています」
このアプリは、前述したように、おでかけや天気予報など生活に密着した側面があるわけですが、面白いのが「my daiz(マイデイズ)」くんが状況に合わせて“変身”するというのです。
ちょっとアプリで試してみたら、確かに変わる変わる(笑)。音楽なら音符、買い物ならカート、アラーム設定時はめざまし時計にまで。そしてなんと、勝手に「くん」かと思っていたら「さん」でもなく、性別も特にないのだそう。声優もこだわっており、さまざまな話し方のパターンを持ち、ケースバイケースで使い分けています。
特に、パートナー企業のアナウンスなどをする場合は、例えば「高島屋」だったら丁寧に返してくれるとか、「dマガジン」だと書店ぽく語尾なども変化していく。これらは全て録音したり加工したりで、膨大な音声データをドコモ側で管理しているとのこと。いくつもの人格を持ったAIエージェントサービスを実現しており、「ちゃんと人と接しているようなサービスを目指したい」と、大場さんは話していました。
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さて、いかがだったでしょうか。このように、国内のAIが目指す人工知能エージェントサービスは、「人に寄り添う」が基準になってきそうですね。「my daiz(マイデイズ)」は、AIプラットフォームとしてユーザーに利便性を提供し、パートナー企業も続々参画してくるとのこと。どこに行くにも、マイデイズにお願い!という日も近いかもしれません。海外勢のAIと差別化を図りながら、独自の成長を楽しみにしていきたいと思います。
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(取材・文/&GP編集部 三宅隆)