■山田医療照明がなければ完成しなかった照明
「BALMUDA The Light」に採用された「フォワードビームテクノロジー」は、離れた場所から手元を広く照らす光拡散技術。この技術により、自分の頭の影で手元が暗くなりがちな子どもが、より快適な環境で勉強したり、絵を描いたりできます。
この技術の開発に協力したのが、手術灯の国内シェアNo.1メーカーの山田医療照明です。医療現場では正確で精密な光の照射が必要とされることに着目した寺尾氏が、山田医療照明に話を聞きにいったのがきっかけだそうです。
「これまでもモーターの製作など規模は違えど、他社と共同してモノづくりをしてきています。しかし、今回これだけ山田医療照明の名前を出しているのは、やっぱりこの企業がなければ「BALMUDA The Light」はいまでも完成していなかったからなんです。手術灯の話を聞いて、光を反射させるリフレクターの技術や、より太陽光に近い色を見せる医療用LEDを初めて知りました。これは山田医療照明への感謝も含めて、声を大にして伝えないといけないと思ったんです」
「BALMUDA The Light」では、自然界の光に近い波長で本来の色を再現する「太陽光LED」を採用しています。この明かりは色の再現性が高いだけでなく、白色LEDに比べてブルーライトのピーク波長が約半分になることも、“子どもの目を守る”ことにひと役買っています。
「多くの人が白色LEDの下で不自然な色を見ていることを知りません。視覚は人間の五感のなかで、もっとも遠くから認知できる感覚でもあり、支配力も高いんです。おそらくゴッホが現代の白色LEDの下で暮らしていたら、あんなに鮮やかな絵は描けなかったでしょう。日々の暮らしで見聞きするものがクリエイターのアウトプットを変えていくと思っています」