実際に泳いでわかった「ダイバーズウオッチ」が全天候型のタフさを誇る理由

■優秀なムーブメントを持つ「プロスペックス SBDC083」をレビュー

▲インプレッション用に装着したのは、セイコー「プロスペックス SBDC083」(8万5000円/税別)。国内外では「SUMO(スモウ)」の異名で人気を博すモデル

まずは時計の紹介から。セイコー「プロスペックス SBDC083」は、日差+25秒~-15秒の自動巻き(手巻つき)機械式時計(キャリバーNo6R35)。日付け&カレンダー機能と200m潜水用防水性能を備えており、最大巻上時に約70時間持続する強力なパワーリザーブが特徴のダイバーズウオッチです。

ケース材質はステンレスで、美しく磨かれたデザインがラグジュアリー感を醸し出します。セイコーダイバーズの特徴である4時位置りゅうずは、ダイバーの海中作業の際、邪魔にならないよう設計されています。

▲りゅうずが3時より少し下にあり、手首への干渉を和らげる

針とインデックスには、暗闇で光るルミブライト加工が施されており、暗闇での視認性を高める効果も。このようにプロユースな機能を備えた逸品ですが、本来の目的通り海で実際に使ってみました。

■夏の日本海で優雅にシュノーケリング

ちょっと早めの夏休みをとって、日本海側の美しい海に潜ってきました。荒波のイメージですが、この季節は意外と穏やか。もちろん旅の間はずっとプロスペックスを腕にはめており、仕事用のジャケットでも、カジュアルなTシャツでも違和感なく使えるのはうれしいところ。ちゃんとしたオトナっぽくて素敵です。

▲青い海をバックにパシャリ。気分が上がってきた

さていよいよ、海に入ってみたわけですが、正直かなり戸惑いました(笑)。機能性はお墨付きとはいえ高価な腕時計を海につけていいものかと…。まあ悩んでいても意味がないので覚悟を決めて浸水!

ドボン! ああ、やってしまった~と最初は気が引けたものの、泳いでいるうちに不思議な感覚に…。海の透明度が高いために水中でも腕元がよく見え、ステンレスのケース部分が光でキラキラと輝いてすごくキレイ。泳いでいる魚より、時計に目を奪われます。

また、シンプルだと感じていた時刻を表すインデックスは、水面で濡れたり波で揺れたりしているときも見やすく、水中での使用を想定していることがはっきり分かります。

そして普段使いで感じる時計の重みが、浮力でなくなるのは意外な発見。やはりクォーツ式に比べると重みのある機械式ですが、海の中なら関係なく使えるのはいいですね。ベルトもステンレス製で濡れても気にならず、硬質なひんやり感が夏にぴったり。

▲海の中でちょくちょく時間を確認したくなる。りゅうずが4時位置にあるおかげで、手の甲に時計が当たらず見やすい

今回はシュノーケリングだったので、本来ダイビングで使用する逆回転ベゼル(潜水時間を図るための機能)などは使いませんでしたが、本格ダイバーズと共に海へ潜る魅力は十分に堪能できました。

また、機械式ならではというか、針を動かすトルクにパワーがあるので、太い針を採用していることで時刻の視認性がとても高く感じました。仕事に遊びに大活躍する、真に相棒感あるオトナのラグジュアリーアイテムだな、と。

そこで今回、ひとつ気になったことがあります。「200m防水」という仕様は、ちょっとオーバースペックなのではないかということ。シュノーケリングはもちろん、ダイビングで200mも潜ることはないし(せいぜい30~40m)、その設計思想を探るべくメーカーのセイコーウオッチさんに取材してきました。

【次ページ】ダイバーズウオッチの定義について聞いてみた

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