その好例が初代モデルをフルメタル化した「GMW–5000」だと齊藤さんは語る。
「初代のDNAは守りつつ、機能は大きく進化させました」
開発現場でキーワードになっているのが「C・M・F」。カラー(色)、マテリアル(素材)、フィニッシュ(表面加工)の要素だ。この3つの方向からアプローチすることで、これまでにない斬新なモデルが続々と誕生している。
「初代のフルメタル版では、素材の持つ力を改めて実感しました」と齊藤さんは言う。
2019年に話題になった「MTG–B1000」の限定モデルも、レインボーIPという新しい表面加工技術から新たな魅力が生まれた好例。
「普通の腕時計の開発には、どうしても細かな制約がつきまといます。でもG–SHOCKの場合は、唯一無二のDNA“アブソルート タフネス”さえ守れば、どんなモデルを作ってもいい。つまり、G–SHOCKは世界でいちばん自由な腕時計なのです。 40周年に向かって、これまでにない、皆さんを驚かせる新作が続々と登場する予定です」
その進化・発展が楽しみだ。
カシオ計算機開発本部 開発推進統轄部 プロデュース部
第一企画室室長 プロデューサー・齊藤慎司
2007年から2018年まで11年間、G-SHOCKの開発に従事した後、2019年から室長としてEDIFICE(エディフィス)など他の腕時計ブランドのモデル開発に関わる。この7月からはG-SHOCKを含む全モデルの企画開発を指揮する。
【COLOR(カラー)】
ケースや文字板などパーツの色を変える。それだけで、まったく違うテイスト、魅力を持つ腕時計が生まれる。
【MATERIAL(素材)】
カーボンファイバーなど、これまでとは違う新素材をパーツに導入するだけで、見た目も機能も劇的に進化する。
【FINISH(表面加工)】
見た目や質感を一変させる表面加工。その進化は日進月歩。中でもレーザー彫刻加工は最も注目したい技術だ。
※2020年10月6日発売「GoodsPress」11月号掲載記事をもとに構成しています
<取材・文・写真/渋谷ヤスヒト 写真/三田村優 協力/カシオ計算機>
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