■2型(2007年8月〜2010年6月)<中古車価格帯:60万〜570万円>
200系ハイエース初のマイナーチェンジを受けて登場した2型のトピックは、ディーゼルエンジンが2.5Lから可変ノズル式ターボチャージャー搭載の3Lディーゼルに変更されたこと。触媒も変更され、平成17年(新長期)排出ガス規制に対応しました。
外観はフロントグリルのデザインを変更。メッキ部分が2段構造になっています。
また、グレード体系も見直され、バンのスーパーGLにワイドボディ、バンのDXにカラードバンパーやプライバシーガラスを装備するGLパッケージが新設定されました。
■3型(2010年7月〜2013年11月)<中古車価格帯:80万〜720万円>
二度目のマイナーチェンジを受けた3型はディーゼル車の触媒を改良し、平成21年(ポスト新長期)排出ガス規制に適合。さらに燃費性能や静粛性能も高められました。
外観はフロントバンパー、ヘッドライト、フロントグリルのデザインを変更。グリルは1型、2型よりも大型化しています。上級グレードではディスチャージヘッドライトがオプション設定、オートエアコンが標準装備されました。
2012年4月の一部改良では、大きなトピックが。ハイエースは人気モデル故に車両盗難の被害が多い車種でもありました。この一部改良で、盗難防止システム(エンジンイモビライザーシステム)が全グレード標準装備に。車両盗難のリスクが減ったのはユーザーにとって大きなメリットです(ただし、リスクが完全になくなったわけではないので防犯対策は怠らずに!)。
ほかにもディスチャージヘッドライトの全グレードオプション設定、バック時にリアカメラの映像をルームミラーのディスプレイに表示するバックモニター内蔵自動防眩インナーミラーの設定などの変更がありました。
2012年11月には、スーパーGLをベースに本革ステアリング&本革シフトノブ、ディスチャージヘッドライトなどを装備した特別仕様車“プライムセレクション”が設定されました。
■4型(2013年12月〜2017年11月)<中古車価格帯:90万〜800万円>
200系ハイエースは4型以降、“5型” “4.5型” “4型後期”など人により型の呼び名が異なるようになります。これは2013年12月に行われたマイナーチェンジで4型になってからはマイナーチェンジを行っていないのが理由です。そこでこの記事では4型以降を“4型” “5型” “6型”という形で紹介していきます。
2013年12月に登場した4型は、フロント周りのデザインが大きく変わりました。グリル開口部が大きくなったことで今風の精悍な顔つきに。スーパーGLはリアコンビネーションランプのデザインも変更されています。
インテリアではエアコンボタンやダイヤルなど、センタークラスターパネルのデザインが変更されました。そしてバンのスーパーGLはサスペンションのチューニングが変更されて乗り心地が高められています。
ほかにも両側電動スライドドア、スマートエントリー&スタートシステムなどがオプション設定され、快適性が向上しました。
2014年12月には、ガソリン車のトランスミッションが4ATから6ATに変更されています。
■5型(2017年12月〜2020年4月)<中古車価格帯:160万〜840万円>
5型のハイエースのトピックは、衝突回避支援パッケージであるToyota Safety Sense Pが標準装備されたことです。装備内容は、歩行者検知機能付き衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームになります。
そしてディーゼルエンジンが3Lから2.8Lクリーンディーゼルになり、トランスミッションが6ATに変更されました。
他にもヒルスタートアシスト、盗難防止装置のオートアラームが全グレード標準装備となっています。
5型登場時に、内外装をダークカラーで統一した特別仕様車“スーパーGLダークプライム”も設定されました。
そして2018年8月にはダークメッキグリルやバックドアガーニッシュを装備した特別仕様車“スーパーGLダークプライムII”が発売されました。
■6型(2020年5月〜)<中古車価格帯:210万〜930万円>
2022年1月現在、新車販売されているハイエースは6型になります。6型は車両後方のカメラ映像を映し出すデジタルインナーミラー、車両の俯瞰映像をナビ画面に映すパノラミックビューモニターを採用。構造上死角が多くなるハイエースですが、車両周囲の状況をモニターで確認しやすくなっています。
ほかにもアクセルペダルの踏み間違いによる衝突被害を軽減するインテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]を採用。先進安全装備の拡充が図られています。
■いまハイエースを手に入れるならどれを選ぶべき?
ビジネス、トランスポーター、アウトドアなどさまざまなシーンで需要があるハイエースは中古車相場が下がりづらいことでも有名です。初度登録から10年以上経過し、走行距離が10万kmを大きく超えるものでも高値で取引されていたりします。
そんなハイエースを中古車で探す際は、盗難防止のリスクを減らす上でもイモビライザーが搭載された3型後期(2012年4月〜)以降のモデルを選びましょう。そして先進安全装備も欲しい人は5型(2017年12月〜)以降のモデルがおすすめです。
もしハイエースを趣味の相棒として長く楽しむつもりなら、新車を選びたいところです。中古車が高値で取引されているということは、長く乗っても一般的なモデルより高値で買い取ってもらえる可能性が高いでしょう。
また、自分好みにカスタムすると買い取り査定ではマイナス評価になるケースも少なくありません。しかしハイエースはさまざまなシーンで需要があるため、趣味で使いやすいようカスタムしても、査定時に需要があると判断されるケースもあります。
<文/高橋 満(ブリッジマン)>
高橋 満|求人誌、中古車雑誌の編集部を経て、1999年からフリーの編集者/ライターとして活動。自動車、音楽、アウトドアなどジャンルを問わず執筆。人物インタビューも得意としている。コンテンツ制作会社「ブリッジマン」の代表として、さまざまな企業のPRも担当。
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