■定番味を格上げするラクレットチーズ
&GPをとりまとめる澤村編集長のホットサンドは、レタスとランチョンミート、チーズという王道の具。けれどもとろっと溶けて伸びるチーズは見た目だけで食欲を刺激! しかも木の実っぽい芳醇な香りが鼻腔をくすぐるし、ランチョンミートの塩味と相性抜群です。
「めっちゃハイカロリーで胸焼けしそうなイメージもあるけど、意外とさっぱりしています。やっぱりポイントはちょっと厚めにスライスしたラクレットチーズ。加熱されて溶けて伸びるチーズが見た目にもそそります。ランチョンミートはお好みの厚さでいいけど、5mm厚が好み」(澤村)
食材買い出しはスタッフがまとめて行ったのですが、“ラクレットチーズは某高級スーパーのチーズコーナーの右上にある”と指示するほどラクレットチーズへの愛に満ちています。
なんてことないレシピでも、食材にこだわって格上げする。ギア好きの澤村らしいレシピです。
濃厚|ー◯ーーー|あっさり
軽食|ーー◯ーー|ボリューム
安価|ーーーー◯|高価
合計1950円(ラクレットチーズ1500円、ランチョンミート400円、レタス150円)
※この記事に掲載している金額はすべて大まかなものになります
■思いつきのオープンサンドはまるで肉まん
&GP編集部のロケ飯を司る三宅は、つまみ用の餃子を食パンに載せたオープンサンド。当初は食パンなしで餃子だけにする予定だったそうですが、ふと思いついて食パンを追加。ついでに余ったラクレットチーズを挟み、最後にだれかが思いつきで購入したラー油系ニンニクの瓶詰めを垂らすという余り物系レシピです。
生の餃子とパンなんて、だれもが「ちょっとヤバいんじゃないの?」と思った料理ですが、餃子側を長めに加熱してしっかり火を通したおかげでしょう、カリッと焼き上がっておいしい。パンがまるで包子の皮とか馒头(まんとう)みたいに思えるから不思議。
「まるで肉まん! そんな新食感が味わえるメニューです。キャンプならではの“アリもの”で考えた組み合わせだけど、こういうのが成功したときこそ醍醐味です」(三宅)
レシピ通りに作っておいしくできるのは当たり前。手元の食材を使っておいしく仕上げることこそ料理上手の証です。
濃厚|ー◯ーーー|あっさり
軽食|ーーー◯ー|ボリューム
安価|ーーーー◯|高価
合計2350円(ラクレットチーズ1500円、餃子200円、レタス150円、瓶詰めラー油500円)
■コンビニ食材で満腹バーガー
&GPアウトドア担当、円道の秘蔵レシピはコンビニ愛あふれる一品です。
コールスロー用の千切りキャベツ、うまさが爆発するレトルトハンバーグ、スライスチーズで包丁不要。あえて、余っているラクレットチーズではなく手に入れやすいスライスチーズを投入する。これぞコンビニ愛、編集者の心意気です。
バウルーを使ったのですが、具がミッチリでしっかり閉まらない。でもいいんです。
「要するにバエればいいわけですよ。萌え断ってやつですね。セブンイレブンの金のハンバーグにチーズとカットキャベツという、すべてコンビニで買えるものだけで、こんなにパンチのあるホットサンドができるのです。間違いのないおいしさと満足感。ハンバーグが分厚いので、中までしっかり温かくしたいなら極弱火推奨です。コンビニ万歳!」(円道)
バウルーの区切りがハンバーグを割り、肉汁がにじみ出ます。ソースと混じり合ったうまみの塊=肉汁をパンが受け止める。フレッシュなキャベツまで茶色く染めますが、茶色い料理ほどうまいものはありません!
濃厚|◯ーーーー|あっさり
軽食|ーーーー◯|ボリューム
安価|◯ーーーー|高価
合計660円(ハンバーグ400円、コールスロー100円、スライスチーズ260円)
■トロピカル気分のチョコバナナはバターがポイント
新人スタッフ、栗原のおすすめホットサンドはキュートなチョコバナナサンド。「え、私も披露するんですか?」と戸惑いつつもバナナと板チョコを散らしていきます。
健康が気になる男性スタッフはNOバターで意外にもあっさり仕上げでしたが、さすが最年少の栗原。7〜8gのバターを2片(!)載せるという思い切りのよさを発揮し、高カロリー上等でバターの風味を優先した香ばしいスイーツに仕上げました。
「デザート系の定番“チョコバナナサンド”にシナモンシュガーとマンゴーソースをトッピングして、トロピカルな味わいに仕上げました。少し味が多そうに見えますが、チョコとフルーツの組み合わせがぴったりとマッチ。ほんのり感じるシナモンも良いアクセントです」(栗原)
濃厚|ーーー◯ー|あっさり
軽食|ー◯ーーー|ボリューム
安価|◯ーーーー|高価
合計650円(バナナ100円、板チョコ100円、シナモンシュガー100円、マンゴーソース100円、バター250円)
■甘塩っぱいおつまみサンド
最近コンビニでは夏でも焼き芋が販売されています。これを使おうと考えたライター大森は、酒のつまみにもデザートにもなる甘塩っぱいホットサンドを披露。
干し柿バターの“和の甘味×乳製品”の相性のよさをヒントに、焼き芋×クリームチーズをサンドしています。
「焼き芋って水分少なめの印象でまったく興味がなかったんですが、たまたま “冷やしてもおいしい”って書かれた焼き芋を試したところネットリ甘いことに衝撃。干し柿に通じると思って採用しました。食感のアクセントがほしく、食パンではなくクルミ入りのハード系パンを使っています。これにバターをたっぷり塗ってかみしめるとバターがジュワ。バターサンドではなくクリームチーズサンドにしてカロリーを控えたのに元の木阿弥ですが、酒にあう味になったと思います」(大森)
焼き芋がなければ大学芋や干し柿を使ってもOK。甘味がほしいときははちみつをプラス、反対に甘味が気になる場合はしたたるほどたっぷり酒をふくんだラムレーズンを添えて甘味を調整するといいですよ。
ただし、ハイカロリーなのであくまでつまむ程度にしましょう。
濃厚|ーー◯ーー|あっさり
軽食|ー◯ーーー|ボリューム
安価|ーーー◯ー|高価
合計1300円(焼き芋300円、クリームチーズ300円、ラムレーズン250円、バター250円、クルミ入りパン200円)
* * *
初めてのホットサンド自慢大会は、当日まで秘密だったにもかかわらずボリューミーなおかずパンから甘〜いおやつ、つまみなど5人それぞれテーマがかぶることもなく無事閉幕しました。
どれもおいしく満足度の高いホットサンドばかりですが、食材の質、ボリューム、手間、食感など優先することがそれぞれ異なっていて、なんだか性格がわかるというか…。ホットサンドレシピは人間の内面がちょっぴり透ける、なかなか恐ろしい料理でもありました。
<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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