■僕たちがキャンプ場を開きたいと思うようになった昔話をちょっとだけ
その前に、ちょっとだけ昔話をさせてください。僕たちがなぜキャンプ場を開きたいと思うようになったのかを、少しだけご紹介させてください。
遡ること10年ほど前。私ヤマケンと、ともに「-be-」を運営する相方のさくぽんは脱サラして、キャンプの世界に飛び込みました。
当時は珍しかったキャンプのハウツーについてのキャンプブログで稼ぐことを当面の目標に、「キャンプしながら日本全国を野郎2人でめぐる旅」に出ました。
キャンプの経験値を上げるため、キャンプ業界の人に注目してもらうため、ブログの説得力をあげるためと、いろいろな理由があってのキャンプ旅でした。
すぐにブログでお金が稼げるわけもなく、途中お金が尽きて、稼ぎ直さなければいけないこともあり、結局2年とちょっとかかりました。
キャンプ旅の間は、ご縁を頂いて本当にたくさんのキャンプ場のオーナーたちにお世話になりました。
宿泊させてもらう代わりに、場内整備や週末のキャンプ場業務をお手伝いさせてもらったり、それまで見たこともなかったキャンプ道具の使い方を教えてもらったりと、キャンプにまつわるあらゆることを経験させていただきました。
その中で見てきたオーナーたちの背中は、いつだって素敵で格好良く、憧れるものでした。そして、いつかは自分たちも同じようにたくさんのキャンパーを迎え入れ、穏やかにキャンプをして過ごせる場所を作りたいと思うようになったのであります。
■暗中模索で土地を探すよりも、まずは理想の形を持つことがスタートライン
さて、昔話はここまでにして。では具体的に僕たちがどうやってキャンプ場を開くに至ったのかの話から、キャンプ場の土地探しについてお伝えできればと思います。
芝生で程よく木々が立ち並んでいて、満点の星空が見える場所があって、春は新緑で柔らかく、夏は涼しさをくれる林間サイトもほしい。
ソロやデュオキャンパーがしっぽりのんびりできるような静けさも提供したいし、これからキャンプをはじめたい人が安心してソトアソビを楽しめるような施設もほしい。
何よりも自然の豊かさの中で癒やされるような場所で、今すぐキャンパーを迎えたい。
これが僕たちの求めるキャンプ場像でした。
キャンプ旅で立ち寄ったたくさんのキャンプ場の中にあこがれた風景があったからこそ、ここまで欲張りな要望になってしまいましたが、とにかくこの理想の形をもとに土地探しました。
「自分が納得できる、大好きな場所」だからこそ、訪れるキャンパーさんにその場所の良さを伝えたくなるし、数泊の短い時間ではありますが、可能な限りゆっくり過ごしてもらえるように努力もできるのだと思います。
実際に20数年続いている個人オーナーのキャンプ場の多くは、仕事の合間を縫って、自分の足を使って理想のランドスケープを探して回ったと聞きます。
そしてそれらのキャンプ場は、ところどころにその土地への愛を感じますし、そこにくるキャンパーへの気遣いがそこかしこに見受けられます。
だからこそ、昔ながらのキャンプ場には穏やかな雰囲気が流れているのだろうと思います。
ということで、少し鬱陶しくなりましたが、キャンプ場を開くために必要な一番大事な要素は、自分の理想のキャンプ場像を持つことだと考えます。当たり前かもしれませんが。
理想像が決まれば、それを叶えられるエリアを絞れますし、必要な広さも設備も決まるので、必要な開業までに必要な経費もなんとなく見えてきます。
実際に始めて見ると当初の目論見通りにはまったくいかないのですが、それでもスタートは切れます。