■キャンプ場探しは1日にしてならず。何度も足繁く通うことが大前提
僕たちが整備中の「-be-」は、北軽井沢で長く続くキャンプ場の方に教えていただいた場所のひとつでした。
キャンプ旅の間にお世話になったキャンプ場のひとつで、旅の後もプライベート、ビジネス問わず、お世話になってきました。
もともとこのエリアで生まれ育って、今は地域に産業を作るために活動されている方々で、北軽井沢エリアを熟知されています。
僕たちの予算や理想のランドスケープや環境に合わせて、たくさんの場所を一緒に回ってくださって、そのうちのひとつが今整備中の「-be-」となる場所だったわけです。
その後もこのエリアのキーマンとなる方を紹介してくださって、その方も陰に日向に助けてくださり、なんとか2022年のプレオープンにこぎつけました。
キャンプ旅だったり、働かせてもらったりと、僕たちの経験は例としては少し特殊なのかもしれませんが、大好きな土地に関係し続けることが次のステップなのだと考えます。
週末ごとにそのエリアの喫茶店に行く、ショップに行く、不動産屋に行くなどなんでもいい。とにかく泥臭く足繁く通って、そのエリアの人に覚えてもらうことから始める。
遠回りのように見えてしまうかもしれませんが、キャンプ場を始めるまでの間だけでなく、末永くキャンプ場を運営していくための最短距離だと感じています。
■覚悟を決めて飛び込むことも必要かも
ちなみに僕たちの「-be-」について一番大事だったことを振り返ってみると、相方さくぽんの移住だったように思えます。
住居を移すのは一般的に非常に難しく大変なことだと思います。仕事や家族、友人関係はもちろん、生活環境の変化もあります。
また、キャンプ場があるエリアは豊かな自然がある反面、都会のような利便性がないことも多い。
それでも生活の拠点を移すというのは、「この土地でキャンプ場を始めたい」という強い意志表明にほかなりません。
ちなみに、「-be-」のある北軽井沢エリアは別荘地が多く、一般的なアパートやマンションは少ないんです。なので、このエリアに関わるには、その数少ない賃貸物件に住むか、近くのエリアで別に住居を構える必要があります。
単純にお金がもったいないからという身も蓋もない理由もありますが、僕ヤマケンは「この土地の四季を知らなければキャンパーに伝えられない」と考えて、キャンプ場の管理棟で生活しています。
そして、自分たちで思っている以上に地元の方々は、その「意志」を「行動」から見ているような気がしています。
全部が全部そうではなく僕の自意識過剰かもしれませんが、何らかの形で、その意思表明を言葉以外の手段で見せていくことは重要そうです。
ということで、“居抜き”キャンプ場を借り受けるまでの話から土地探しに重要だと感じたことをお話しさせていただきました。
土地探しの観点から、地元の方々と関わり続けることとコミュニケーションは非常に重要で、これができないとそもそも理想の土地があっても誰に交渉すればいいかもわかりません。
土地が見つかったあとも、自分たちでキャンプ場を始めるにあたって、地元の方々の理解や応援が何よりも重要だとこの3ヶ月毎日痛感しています。
その土地がどういう土地なのかを地元の人たちは知っています。水が湧きやすい谷地(ヤチ・ヤジ)なのか、風が通り抜けやすい場所なのか、気候や天災に強い土地なのか、管理棟やトイレを立てる開発行為ができるエリアなのかなど。
さらに言えば、キャンプ場整備に必須な重機を取り扱ってる業者さんや、砂利などを取り扱っている業者さん、水道工事屋さん、電気工事屋さんも、自分だけで調べてお願いするのはすごく大変です。こういうキャンプ場に必須なインフラ系も彼らは知っています。
今回はお話できませんでしたが、キャンプ場の土地選びに必要な視点や知識は他にもたくさんあります。
それをよく知っているのはそのエリアで生活を続けている方々ですから、地域に入ることなしにはキャンプ場は成り立たないのだと感じています。
次回以降はキャンプ場の土地選びについて、もう少しマニアックなところに突っ込んでお話できたらと思います。
今回もご覧いただきありがとうございました! また次回もよろしくお願いいたします!
「-be-北軽井沢キャンプフィールド」
〒377-1411 群馬県吾妻郡長野原町応桑1984-160
<文/山口健壱>
山口健壱(ヤマケン)|1989年生まれ茨城県出身。脱サラし、日本全国をキャンプでめぐる旅ののち、千葉県のキャンプ場でスタッフを経験。メーカーの商品イラストや番組MCなどもつとめる。著書に「キャンプのあやしいルール真相解明〜根拠のない思い込みにサヨウナラ」(三才ブックス)
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