“ダサイはカッコイー”を貫くイラストレーターの足元は、普通だけど普通じゃないニューバランス

【スニーカーとヒト。Vol.10】

前回冒頭でも触れたように、この10回目は同時に本連載の最終回となる。そこで10という数字について、虚実入り混じるという意味でも現代の集合知たるWikipediaで調べてみた。まずは多くの文明において採用されている標準的な記数法である十進法。10ごとに上の段に繰り上がる。そして“一から十まで”と表現するように、終わりや限りを意味することもある。そう考えると、今回が最終回なのにも納得せざるを得ない。さらに調べると、阪神タイガースでは背番号10を永久欠番にしているという情報も。……阪神タイガース?  あっ!

というワケで、区切りとなる最終回にオファーしたのが「親方」さん。PUNK DRUNKERS(パンクドランカーズ)というアパレルブランドを主宰し、阪神タイガースファンの虎キチとしても知られる。筆者にとっては、ライター駆け出し時代の約20年前に、その阪神タイガースを舞台とした映画『ミスター・ルーキー』のDVDを親方さんに鑑賞してもらって感想を聞くという取材中に居眠りして以来、仲良くしてもらっている10歳年上の先輩である。近年では、ブランドディレクターとしてだけでなく、世界中にファンを擁するイラストレーターとしても華々しく活躍中。そんな彼が思い出深い1足として挙げたのが、New Balance(ニューバランス)の一見、普通で普通じゃない「M996」だった。

【次ページ】いなたい感じにグッとくる。自身のブランドとのコラボした「M996」とは

この記事のタイトルとURLをコピーする