■「謎の店」別注カラーシール8種とスペシャルボックスがセットに!
―そもそも、どういった流れで『謎のジパング伝説(以下、ジパ伝)』と謎の店のコラボが実現したんですか?
森田 昨年、G×Sさんという方からお声がけ頂いたのがキッカケです。この方が以前所属されていたのが上海鑑定団というお店で、2015年にジパ伝の復刻プロジェクトを実現させたことでシ―ルコレクター(以下、シルコレ)の間でも話題になっていたんですよね。で、そのG×Sさんが周りのシールコレクターの方々と、「ジパ伝を謎の店と“謎繋がり”で何か出来たら面白いんじゃないか」とSNSを通じて盛り上がったということで、「実現させませんか?」とメールを頂いて。
―サンダーボックスとしては、グリーンハウスがデザインを担当した広洋産業という福祉機器メーカーとのコラボで、同社イメージキャラであるラビッティとラビリンをモチーフに、アパレルやショッピングバッグを作っているので、実質グリーンハウスとのコラボは2回目ですね。そこからはトントン拍子で進んだのですか?
森田 実は最初に打診いただいた際に、まだ僕らもこのコラボの中で“謎の店感”をどうやって表現するのかが不安な部分もあったので、一度その辺りを揉んでもらうという話になりまして。そこから何ヶ月間か空いて、アイデアも固まったということで二度目のオファーをいただいて。
―森田さんは、ジパ伝に思い入れってあったんですか?
森田 リアルタイムで通っていなかったこともあって、あまり知らなかったんです。同じくグリーンハウスさんがデザインを手掛けていた「ビックリマン」はもちろん、リアルタイムでメチャクチャ通ってきたんですが、そちらは全くで。そういった部分も最初に「コラボしちゃって大丈夫かな?」と不安になった一因としてありました。僕の場合、コラボするのなら絶対に自分の体内にインプットしてからじゃないとダメなタイプなんです。なので、事前にG×Sさんから資料をもらって読み込むところからスタート。作品の世界観やキャラクターデザイン、当時どういうムーブメントだったのかまで全てを把握した結果、「これならイケる!」と内なる自分からGOサインが出たのと、“謎繋がり”のネーミングもコラボの文脈としてめちゃめちゃハマっていると感じたので、話をお受けしてコラボレーションに向けて動き出しました。
―そこからサクサクと進んでいったんですね。
森田 そうですね。二度目のオファー時にはキャラクターのラインアップやカラーリングも決まっていたので、あとはそこに当時のレトロ感を表現したスペシャルボックスをセットにして、謎の店が今年オープン8周年なので、8月8日の午後8時に8枚セット8800円の“8並び”で「謎のジパング伝説 -秘蔵版-」としてリリースしよう! とコンセプトも確定して。ジパ伝のキャラクターデザインを手掛けたグリーンハウスの代表である米澤さんの了承をG×Sさんが得ながら、段階を踏んで進めていって。なので、プロジェクトのスタートからこうして形になるまでには、かなりの時間を費やしました。
―なるほど。では早速、本コラボレーションの主役であるシールについて教えてください。
森田 ラインアップは「ゴッド王」「ピーコックィーン」「サンキング」「黒魔王」「美緑クィーン」「流魔王」「カルラ王」「零魔王」の8種類。これらを謎の店別注カラーでセット販売します。シールに関しては、G×Sさんにコメントをいただいています。「20周年の復活プロジェクトで使用されなかったお蔵入りカラーと初期カラーをベースに、謎の店のコンセプトとカラーを融合させました。8周年記念にちなんで別注の際に使用されている蛍光グリーン“ミステリアススライムカラー”や、箔押し加工といった新たな表現を取り入れつつ、レトロ感やノスタルジーを感じられるようバランスを意識しました。写研の書体からもコンセプトが伝わると幸いです」(G×S)。
―コラボならではの仕様であることがよく分かりました。しかも今回はスペシャルボックス入りだとか。
森田 シールもさることながら、これが本当にヤバいんです! ボックスもまた“奇跡”のグリーンハウスさんデザイン! しかもファミコンソフトの箱と同サイズなので、初めてソフトを手にした時のワクワク感のような湧き上がる気持ちもあって、泣けてきますね。ちなみに、僕らがハードオフとのコラボで製作したミニコンテナボックスにもピッタリ(笑)。
―今回はシールももちろんですが、「黒魔王」をモチーフしたコラボアパレルも見どころです。進めていく中で大変なところってありましたか?
森田 グリーンハウスさんから頂いた条件をクリアするために、使用するのは1キャラクターかつ、デジタルデータが存在しないためオリジナル版は難しく、20周年のタイミングで登場したキャラに限定。その中で“クリーチャー系のキャラにしよう”っていうのは最初から決めていました。
―普通なら『ビックリマン』の「スーパーゼウス」に相当する「ゴッド王」を選ぶのが定石ですよね。そこを選択肢からハズしたのはなぜ?
森田 そこはシンプルな話で、『ビックリマン』だったら「ヘッドロココ」よりも「魔性ネロ」の方が好きなんですよ、僕は。そういう視点で全キャラクターを見ていった時に、圧倒的にクールだと感じたのが「黒魔王」でした。ネーミングとビジュアルの両方を兼ね備えつつグリーンハウス節がしっかり効いていて。使用許諾を頂いて米澤さんからイラストデータが直接届いた瞬間、「神様からデータが届いた!」ってめちゃくちゃテンションが上がったし、シビれました!
―アパレルに関してはG×Sさんを通さず、グリーンハウスと直接のやり取りだったんですね。
森田 すごくイイ経験になった反面、今までないくらい緊張しました(笑)。
―ですよね(笑)。で、そこからはアパレルのグラフィックとしてデザインする作業に入っていくと。今回はフーディ、Tシャツ(黒ボディ、白ボディの2種)、キャップ、ピンズを展開しています。