このオリジナリティ溢れる宿を経営する岩崎さんは、もともと新規事業企画やウェブ・広告のディレクターをしながら、雑貨店を開業していたそう。そのバックグラウンドを感じられるのが、店内に展示・販売される雑貨の数々です。
2階の宿泊スペース以外の空間では、京都のお土産や旅行に役立つアイテムなどが展示販売されています。多くのアイテムが京都や地方で若手のクリエイターが手がけたオンリーワンなものばかり。
「ローカルカルチャーを国内外の人に体験してもらいマッチングする場所を目指しているので、京都のお店や作家さんに協力してもらっています。京都はコンパクトな街なのでアンテナを張っているとどんどんクリエイターやキーパーソンとつながっていくんです」と岩崎さん。
雑貨店や洋服店と違い、宿泊するとなると滞在時間が必然的に長くなることが、この場所で展示することの強みなのだとか。大きな雑貨店などのように “広く浅く” いろんな商品を紹介するのは難しくても、10数時間の滞在時間で”狭く深く”商品の良さを知ってもらうことができるそうです。
■ローカルカルチャーに自然と溶け込める経験は唯一無二
岩崎さんにどんな人に来てほしいかを尋ねると、「面白いことや新しいことを企んでいる人に泊まってほしい」というシンプルな答えが返ってきました。
「ハイレベルなホテルのようなサービスを提供できるわけではないですし、1日1組限定なので、むやみに幅広い層にアプローチしようとは思っていません。この空間では、地元の人が1階でコーヒーやビールを飲んでいるところに、旅行者が交じるという光景がよく見られます。いわゆる名所を巡る観光のそれではなく、“ローカルカルチャーに溶け込む体験ができること” を、この宿の魅力として育てていきたいと思っています」
泊まりに来た多くの人が「もっとこの宿の滞在時間を長く取れば良かった」と言うほど、この町家の中には大小さまざまなこだわりに溢れています。
宿泊料金は季節によって変動しますが、1人あたり1万円を切る価格が相場となっており、同時宿泊は最大6名までです。観光はもちろん、”泊まる” ことを目的にした京都旅行を楽しんでみませんか?
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(文/今西絢美)
編集プロダクション「ゴーズ」所属。スマートフォンなどのデジタル製品を中心に、アプリや関連サービスに関する記事をウェブや雑誌で執筆中。趣味は食べ歩きで、食にまつわるサービスや製品のチェックがライフワーク。