“進化を実感”できる最新ガンプラをレコメンド!2023年を象徴する1体と2024年に注目の5体

「HGというガンプラのシリーズで『シェルユニット』のような模様を表現する場合、シールを貼る仕様が定番なのですが、インモールド成形のパーツで再現できれば、初めてガンプラに触れる人にも『すごい技術だ』と驚いてもらえるんじゃないかと考えました。インモールド成形は、かつてSDガンダムの商品(超機動大将軍や武神輝羅鋼)でも採用していた技術なので、既存のガンプラファンにとっても『インモールド成形が復活している!』とサプライズのように感じてもらえるのではないかと思いました」(諸岡さん)

インモールド成形は「HG 1/144 ガンダムルブリス」「HG 1/144 ガンダムエアリアル」そして「HG 1/144 ガンダムエアリアル(改修型)」では赤発光、物語の終盤に登場する「HG 1/144 ガンダムキャリバーン」は虹色発光を表現している。

「アニメ本編の『シェルユニット』の色変化に合わせて、インモールド成形の色も変えることによって、ガンプラにおける“シェルユニット表現の進化過程”を見せられるのではないかと考えました。プラモデル技術の可能性を感じてほしいですね」(諸岡さん)

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のガンプラにおいて「HG 1/144 ガンダムエアリアル」や「HG 1/144 ガンダムキャリバーン」といった、主人公スレッタ・マーキュリーが搭乗する機体のキットは、武装のさまざまな形態変化を楽しめるようになっている。

「スレッタの乗るモビルスーツ(以下、MS)はガンビットが機体に装着したり、ライフルに合体したりするので、それをガンプラでも再現できるようにしています。キットが完成した後、パーツを付け替える、そしてまた元に戻すといった遊び方を想定し、小さくて扱いにくいようなピーキーなパーツにするのは避けつつ『サイズをどうするのか』『劇中にはない“パーツを着脱するための穴”をどうしたら違和感がないようなデザインに落とし込めるのか』といったところまで、企画段階から揉んでいきました」(諸岡さん)

例えば「HG 1/144 ガンダムエアリアル」のビットステイヴというパーツは、“ビットオンフォーム”で好きなポージングを取ろうと遊んでいる時には外れないけれど、付け替えようと思ったらすぐに外せるようになっている。

「そのような相反することの両立は“嵌合(かんごう)調整”を入念に行うとともに、設計にもこだわって実現しました。素材には耐摩耗性の高さなどを考慮したKPS材で、パーツを着脱する各種ギミックがストレスのないようにしています」(諸岡さん)

なおMSのデザインは、BNFW(バンダイナムコフィルムワークス)とBANDAI SPIRITSのホビーディビジョンが連携しながら進めたという。

「ガンプラは、出来上がっている機体のデザインに対してBANDAI SPIRITSがどうアプローチしていくのか、ということも多いのですが、アニメでもガンプラでも『カッコいい』を両立するために、BNFWの担当者と相談しながら、アニメ側とガンプラ側の両方を一緒に詰めていきました。打ち合わせでは『このデザインだと周辺が干渉して、ガンプラでは膝が十分に曲がらなくなります』という具合に、MSとともにガンプラの構造をブラッシュアップしていきました。そういった過程を経てMSのデザインが固まり、ガンプラとしてお客様の手元に届く時には、よく動くようになっている…というわけです」(諸岡さん)

若年層にとって『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のガンプラは“初めて作るガンプラ”になる可能性がある。そのため、特に最も購入が見込まれる主人公機のキット「HG 1/144 ガンダムエアリアル」は作りやすさに強くこだわったそうだ。

「最初に触れたガンプラが組み立てにくかったら、ほかのキットは絶対に買ってくれないだろうと。組み間違えにくい“後嵌めの構造”を採用しているのはもちろん、パーツが気持ちよくハマる“嵌合調整”や、パーツを探しやすいランナーの配置にもこだわりました」(諸岡さん)

できるだけ少ないパーツで色分けができるように開発し、シールを貼る作業は少なく、塗装せずともカッコよく出来上がるようになっているのも特徴だ。

「『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のガンプラにおける集大成といえるのが『HG 1/144 ガンダムキャリバーン』です。最終決戦の機体になるということも踏まえつつ、同シリーズの開発を進める中で『ここをもうちょっとこうしたら良くなるかも』といったアイデアなどを、できるだけ盛り込みました。ブレードアンテナと胸部の『シェルユニット』の発光表現も含めて、ガンプラの進化を実感してほしいですね」(諸岡さん)

 

■というわけで2023年を象徴するガンプラはコレ!

BANDAI SPIRITS
「HG 1/144 ガンダムキャリバーン」(2200円)

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の最終決戦時に登場した機体をキット化。虹色に輝く胸部「シェルユニット」とブレードアンテナをインモールド成形で再現している。脚部などの可動域が広いため、宇宙用の姿勢制御ユニットとして機能を特化させた「ハイマニューバモード」の形態を取らせることも可能だ。

本体ディスプレイ用の台座が付属し、お気に入りのポージングで飾れる。戦闘シーンで印象的な活躍を見せた長尺のメインウェポン「バリアブルロッドライフル」が付属し、銃身の後部が展開するギミックは劇中さながら。白いエスカッシャンの構成要素である11基の「ガンビット」は着脱可能で、全身の各部にも取り付けられる。

©SOTSU・SUNRISE・MBS

 

【次ページ】2024年は『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のガンプラがリリースラッシュ!

この記事のタイトルとURLをコピーする