1. Apple Watch Series 9
スマートウォッチは、基本的にスマートフォンとペアリングして使うため、使っている機種によっておすすめの製品も変わってきます。その意味で、iPhoneユーザーがチェックすべきは、「Apple Watch」シリーズです。iPhoneやMacなどのアップル製品とOSレベルでの連携機能が充実しており、普段見慣れたアプリをウォッチ側でも使えるのが大きなメリットです。一方、Androidユーザーは基本的にペアリングができません。
Apple Watchシリーズとしては現状主に、アウトドア向けの「Apple Watch Ultra 2」、スタンダードモデルの「Apple Watch Series 9」、廉価モデルの「Apple Watch SE 2」の3つがラインナップされています。
このなかで、一般的におすすめしたいのが23年9月に発売されたスタンダードモデルの「Apple Watch Series 9」です。スポーツ向けのウォッチに引けを取らないほど重量が軽く、筐体に鋭いエッジ等もないためランニング等のワークアウトに向いています。また、スポーツ向けのストラップバンドのバリエーションも豊富に展開されているため、気に入った素材やデザインを選びやすいこともメリットの一つ。
同機の価格は5万9800円〜。さらに、GPS+Cellularモデル(7万5800円〜)を選択して、対応の通信プランを契約しておけば、外出時にウォッチ単体でのモバイル通信が利用できることも見逃せません。万が一の事態に、ウォッチ単体で緊急通報が行えるのは安心に繋がります。
ちなみに、Nikeとのブランドコラボモデルも要チェックです。
2. Forerunner 265
ランニング特化でスマートウォッチを探す場合には、ガーミンジャパンが23年3月に発売した「Forerunner 265(フォアランナー 265)」なども、有力候補として挙がってくるでしょう。価格は6万800円〜。1.3インチのタッチディスプレイを備えており、スリムかつ45gという軽量なデザインが特徴的です。iOS、Androidに両対応します。
Foreunner 265は、“ランナー”を意識した製品名の通り、坂の勾配やペース、上下動などを総合的に評価して、ランニング時の負荷を「ランニングパワー」としての指標で表現できたり、タイム更新のためのヒントを提示してくれたりするのが同シリーズの魅力です。
また、トレーニングの負荷や、トレーニング後のリカバリーに必要な時間、睡眠の質などを考慮して、「トレーニングレディネス」のスコアとして、回復度合いを表示してくれることも便利な部分。がむしゃらにトレーニングすると怪我を招きますが、こうしたレディネススコアを参考にしながらトレーニングの頻度を調整することで、安全かつ継続的にランニングを習慣化しやすくなるでしょう。
バッテリー持ちもよく、例えば「GPSモード」での稼働時間は約20時間、「マルチGNSSマルチバンドモード」での稼働時間は約14時間です。
なお、同シリーズには上位モデルの「Forerunner 965」などもラインナップされています。上級者向けのトレーニングメニューや、ウォッチ画面でのマップ表示機能などが必要な場合には、こちらも合わせて検討してみるとよいでしょう。
3. POLAR VANTAGE V3
もし、本格的にランニングのパフォーマンスを追求していきたい人であれば、ポラール・エレクトロ・ジャパンが23年11月に発売したフラグシップモデルの「Polar Vantage V3(ポラール ヴァンテージ ブイ スリー)」などもチェックしておきたい機種となるでしょう。価格は9万3500円。
特徴・機能としては、光漏れの少ないセンサー構造や、SpO2の計測機能、皮膚温計測を活用した体内リズム分析の精度UP、VO2maxの測定、オフライン地図の表示など、フラグシップらしく多くのセンシング面に注力しているのがポイント。
さらに、同製品の最大の特徴は、胸部に装着する心拍センサー「Polar H10 N」と連携できること。ポラールの公式オンラインストアから、同製品とのセット(10万2300円)も販売されています。
なお、同機はバッテリー持ちが長いことも重要です。運動の記録をする際には最大61時間、省電力モードだと最大 140時間、時計表示では最大35日間利用できます。
4. Amazfit Cheetah
続いて、コストを少しでも抑えたい場合には、Zepp Health Corporationが23年7月に発売した「Amazfit Cheetah(アマズフィット チーター )」に注目です。
「Cheetah」シリーズは、Amazfitブランド初のランナー向けスマートウォッチであり、スタンダードモデルの「Amazfit Cheetah」(3万9900円)と、上位モデルの「Cheetah Pro」(4万4900円)の2モデルが展開されています。両機の主な差は、ディスプレイサイズのほか、スピーカーやマイクの搭載有無にあるので、純粋なランニング用途ならば、前者を選べば十分でしょう。
Amazfit Cheetahの特徴は、現在のランニングレベルや、目標とするレースの日付と距離、目標記録などを参考にしつつ、AIを活用した処理で自動でランニングプランを作成できること。オフラインマップ機能などもサポートされており、4万円弱の価格帯を鑑みてコストパフォーマンスの良いモデルだと言えるでしょう。
なお、バッテリー持ちは標準的な使用で最大14日間、ハードな使用で最大7日間です。
5. SUUNTO RACE
最後は、中〜上級者の選択肢として、アウトドアウォッチのブランドとしても広く知られるスントが23年10月に発売したパフォーマンスウォッチ「SUUNTO RACE(スント レース)」に注目。同ブランドでは始めてAMOLEDディスプレイを搭載した製品であり、デジタルクラウンによる操作にも対応していることがポイントです。
特徴としては、マップデータをダウンロードしてオフラインでルートナビゲーション機能を使いながら走れることが挙げられます。また、心拍変動(HRV)の測定にも対応しており、トレーニング前後の回復状況の評価も可能です。
バッテリー持ちについては、タイムモードでは最長26日間使用可能。また、エンデュランスモードで最大50時間、ウルトラモードで最大70時間、ツアーモードなら最大120時間の連続トラッキングが可能とされており、長時間のハードな競技でもバッテリー持ちの心配が少ない一台です。
価格は8万2280円〜。カラーバリエーションとしては、ステンレススチールモデルで「All Black」「Midnight」、「Birch」の3色が、チタニウムモデルで「Chacoalr」「Amethyst」の2色が、展開されています。
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これまでなんとなく走っていた人ならば、こうしたスマートウォッチを取り入れることで、トレーニングをより効果的に行うことができるでしょう。
<文/井上 晃>
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。X
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