きっかけは「SR400」!? 人気急騰の激戦区400cc単気筒マシンを比較

近年、にわかに人気が高まっているのが400ccクラスの単気筒エンジンを搭載したバイク。その端緒となったのが、2021年に生産を終了したヤマハ「SR400」がこのクラスの販売台数トップとなったことでした。翌2022年と2023年は、やはり空冷単気筒エンジンのホンダ「GB350/S」がトップの座に。3年連続で単気筒モデル(それも空冷)が販売台数首位という事態になっています。

輸入車に目を向けてもロイヤルエンフィールドが「メテオ350」「クラシック350」「ハンター350」、そして「ブリット350」と同じ空冷単気筒を搭載したマシンを4車種ラインナップ。ベネリも「インペリアーレ400」という空冷単気筒マシンを導入しています。

また、今年に入ってトライアンフが「スピード400」と「スクランブラー400X」を発売。こちらは水冷ですが、クラシカルなイメージの単気筒モデルです。このクラスでは古豪といえるKTM「390 DUKE」と兄弟モデルのハスクバーナ「ヴィットピレン/スヴァルトピレン401」もフルモデルチェンジ。今や400cc単気筒は大変な激戦区となっています。そこで、それぞれのモデルに試乗した経験をもとに、これらのマシンの位置付けを整理してみました。

 

■人気に火を付けたホンダ「GB350/S」

▲「GB350」

2年連続でクラストップの販売を記録しているヒットモデル。2022年は250ccクラスの「レブル250」を超える台数を売り上げていました。元はインド市場で後述のロイヤルエンフィールドのマシンに対抗するために生まれたモデルで、同じ形式のエンジンを採用。オーセンティックなバイクらしいルックスと、リーズナブルな価格も人気のポイントです。

▲「GB350S」

スタンダードの「GB350」と、リアに17インチホイールを履くなどスポーティさをプラスした「GB350S」がラインナップされ、価格はスタンダードが56万1000円、「S」が60万5000円。最高出力はともに20PSですが、最大トルクの29Nmを3000rpmで発揮するなど低速トルクが豊かなので、数値から想像するよりも非力さは感じません。単気筒らしく鼓動感の伝わってくるエンジンですが、新設計のバランサー機構を搭載しているため不快な振動は不思議とまったくありません。

空冷単気筒の代名詞のようになっている「SR400」のボア×ストローク値は87×67.2mmで実はショートストロークの設計。対して「GB350/S」に搭載されるエンジンは、70×90.5mmでロングストロークになっています。このエンジンが強い鼓動感を生み出し、それを感じながら走れるのが「GB350/S」大きな魅力。この楽しさを街乗りなど低い速度域でも味わえるのが、単気筒モデルが人気を集めている理由のひとつつでしょう。個人的には、コーナリングも楽しめる「GB350S」で鼓動を感じながらワインディングを流すのが気持ちよかったです。

 

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