つまり、「Apple Intelligenceが使いたいから、iPhone 16を買おう!」というのは、日本のユーザーにとってはまだ少々勇み足。機能の使用感も未知数であり、正直、来年まで待って評判を確認してから次の「iPhone 17(仮)」を買うか、と気長に待つくらいの姿勢の方が、賢明かもしれません。
■しかし、それでもiPhone 16の仕様は魅力
とはいえ、そんな現状を踏まえても「iPhone 16」の進化幅をチェックすると、端末としてのお買い得感が強いのは事実です。ちょうど買い替えタイミングというiPhoneユーザーならば、今年は同機をまず検討してみることをおすすめします。
具体的には、チップセットの刷新に伴って、AAAタイトルのゲームアプリのプレイにも対応する機種になっていること。そして、通信面では「Wi-Fi 7」に対応していることに注目です。まだAAAタイトル自体の数はさほど多くないものの、4〜7年程度の長期運用を見据えれば、将来的なゲーム用ハードウエアとしてのポテンシャルには期待も高まります。
また、日常使いの視点でも、「アクションボタン」の搭載や、タッチセンサーを駆使した「カメラコントロール」というハードウエア的な変化があり、「新機種に乗り換えたぞ」という買い替えの実感が得やすいことも、わかりやすい魅力でしょう。
もちろん、USB Type-Cの規格がUSB 2(最大480Mbps)のままであるというスタンダードモデルの“弱点”は残っていますし、「空間ビデオ」や「空間写真」の撮影といった「Apple Vision Pro」が活きてくる機能や、動画撮影・音声録音関連のメリットは、上位のProシリーズの特権として残っています。仕事や趣味でクリエイティブな作業が求められるならば「Pro」を、そうでないならばスタンダードモデルを買うといい、という常套句が、まさにピッタリ当てはまる世代になっているわけです。
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現状、Apple Intelligenceに日本のユーザーの買い替えを訴求する強い引力は無いかもしれません。しかし、スタンダードモデルのiPhone 16にもApple Intelligenceをサポートする処理性能が備わったということは、長期運用を前提にしても安心できるポイントです。また、従来のProシリーズに限られていたメリットもたっぷりと降りてきており、いつも以上にワクワクした気持ちで機種変更に臨めそう。飛びつくか、待つか。スタンダードモデルを長期運用前提で買われている方は、今年は悩ましいかもしれません。
<文/井上 晃>
井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。X
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