やはり、スタンダードモデルに関して紹介したように、2倍望遠で対応できるのは、「料理を撮るときに撮影者自身の影が映り込まないようにする」や「ちょっと離れたところの花や人を撮るときに構図が自由になる」くらいです。一方で、やりたいことが「遠くから子どもやペットの表情を変えずに撮影を狙う」「散歩中に出会った野鳥や昆虫を撮影する」などになってくると、5倍、あった方が良いです。
ちなみに、個人的にProシリーズのポテンシャルで期待していたのが録音用マイクの強化でした。iPhoen 16 Pro/16 Pro Maxでは、新たに「4つのスタジオ品質のマイク」を備えたからです。
ただし、ビデオ撮影時に空間オーディオを適用したり、風切り音を低減したりする機能は、スタンダードモデルのiPhone 16でも使えます。ビデオ編集時の「オーディオミックス」も、iPhone 16シリーズならばどれを選んでも利用可能。Proシリーズのメリットとしては「マイクの品質」の差くらいに限られます。
しかし、両端末で撮影したビデオのオーディオを聴き比べてみても、録音のプロではない筆者では、差をあまり認識できない程度ではありました。一方で、今後のアップデートで音声からの文字起こし機能や、ボイスメモの音楽関連の録音機能などが充実してくると、マイク性能の差が体験の差に影響してくるかもしれません。このあたりは、長い目で注視してしておきたいところ。
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もしこだわりがなければ「iPhone 16」のコスパが高いと感じます。一方、カメラが好きだったり、クリエイティブに使い倒す予定ならば「iPhone 16 Pro」一択といったところ。ここ数年は「もうスタンダードモデルで良いじゃん」と感じやすくなりましたが、比較検討時にはぜひProシリーズの魅力も見落とさずに。
ちなみに、従来からのProシリーズのメリットとしては、LiDARスキャナで正確なARが使えること、データ伝送速度の速いUSB Type-Cポートで柔軟な外部機器接続が行えること、常時表示ディスプレイでスタンバイモードを利用できること、などもあります。これらも忘れずにチェックしておきましょう。
<文/井上 晃>
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