全部開くと10.2インチ!中国で話題の“3つ折りスマホ”「HUAWEI Mate XT」がスゴかった!

■スクリーンサイズは3パターンから選べる

折りたたんだ状態で使える画面を「シングルスクリーン」、開いて使う2/3の画面を「デュアルスクリーン」、全画面を「トリプルスクリーン」と呼ぶそう。設定画面には、アプリを「デュアルスクリーン」や「トリプルスクリーン」に最適化する項目があったので、自分の用途に合わせて使いやすい表示にできるようです。

▲広い画面はウェブや動画などを見るには有利。画面リフレッシュレートは最大120Hz

▲動画はここまで広く表示できる

▲画面を2つに分割するマルチウインドウも使いやすい。さらに、もう1つのアプリをフローティングで表示することもできるようだ

▲分割表示の設定画面。デュアルスクリーン、トリプルスクリーンそれぞれの設定ができるようだったが、試せる時間が短かったこともあり、利便性は実感できなかった

筆者が短い時間触れた範囲では、卓上に立ててデュアルスクリーンを使ったり、トリプルスクリーンの下方にキーボードを表示させて文字入力したりできるのが便利そうでした。

▲このように見やすい角度で立てて使うこともできる

▲画面下にキーボードを表示されることができるが、この状態ではキーボードの裏にカメラがあり、卓上に置くには不都合

▲スタンド付きカバーが同梱されていて、これを取り付けることで、カメラ部の出っ張りによる段差が、スタンド部で幾分相殺される仕組み

普段はシングルスクリーンで使って、用途に応じてデュアルスクリーンやトリプルスクリーンを使い分ける。あるいは、トリプルスクリーンをメインに使って、持ち歩くときだけコンパクトに折りたたむなど、人によって使い方が変わりそうです。

OSはファーウェイ独自の「Harmony OS」。アプリは、やはりファーウェイ独自の「AppGallery」からダウンロードできる仕様です。実は、Googleアプリを使えないわけでもないのですが、正常の動作は保証されておらず、利用者の自己責任となります。

 

■壊れそう…という不安は、すぐに解消されるかも?

カラバリは、ブラックとレッドの2色。筆者が触れたのはブラックで、背面パネルはヴィーガンレザー仕上げ。フレームやカメラの台座はゴールドで、リッチな質感でした。背面には「ULMIMATE DESIGN」と記されていますが、ファーウェイが最高グレードの製品に冠するブランドで、「HUAWEI WATCH ULTIMATE DESIGN」というスマートウォッチは日本でも購入できます(45万9800円)。

▲背面パネルはヴィーガンレザー仕上げ

▲ファーウェイの最高グレードのスマートウォッチ「HUAWEI WATCH ULTIMATE DESIGN」

リアカメラは広角(50メガピクセル)+超広角(12メガピクセル)+望遠(12メガピクセル)。折りたたんだ状態でも開いた状態でも使えて、デュアルスクリーンの裏向きにした状態(リアカメラ+シングルスクリーン)でセルフィーも撮影可能。ビデオ通話などに使えるフロントカメラ(8メガピクセル)も備えています。

▲50メガピクセルをメインとするトリプルレンズカメラを搭載

バッテリーは5600mAh。3ヵ所に分けて内蔵されていると思われます。急速充電、ワイヤレス充電にも対応。

「3つ折り」と聞くと、耐久性に不安を感じる人がいるかもしれません。ですが、実際に手にしてパカパカと開閉してみると、使用感は「Galaxy Z Fold6」や「Google Pixel 9 Pro Fold」など、他社の2つ折りのスマホと同等。むしろ、Pixelよりも開きやすく感じました。筆者は2019年に初めて「Galaxy Fold」を触れた時に、恐る恐る開閉したことを覚えていますが、いまやディスプレイを折りたためることは当たり前のように思っています。なので、3つ折りに対する不安が解消されるのも時間の問題でしょう。

▲ヒンジは頑強な印象で、使っていて不安は感じない

▲折りたたみスマホは使い続けていると、折り曲げ部の保護シールが剥がれてきたりする。HUAWEI Mate XTには谷折りと山折りの2ヵ所の折り曲げ部があり、そこがどうなっていくかは使い続けてみないとわからない

なお、Galaxy Z Fold6はペンで操作できることも特徴にしていますが、ペンで操作するにはHUAWEI Mate XTのほうが適しているかも…と思ったりもしました。HUAWEI Mate XTはペン対応は記されていないので、実際に快適に使えるかどうかはわかりませんが、画面が広い分、用途も広がりそうです。

 

■中国で普及が進む折りたたみスマホ

ファーウェイは一時期、世界市場におけるスマホの出荷台数でサムスン、アップルに続く3位につけていましたが、米国からの制裁以降、苦戦を強いられています。しかし、中国市場では昨年来、好調に転じて、出荷台数シェアは首位を争うポジションにまで回復しています。

▲中国ではフラッグシップの「HUAWEI Pura70」シリーズも好調。ただし、日本未発売

▲フリップ式の「HUAWEI Pocket 2」など、折りたたみスマホは複数モデルを展開している。日本未発売

中国ではファーウェイのほかに、シャオミ、OPPO、Honorなども折りたたみスマホをリリースし、市場が急速に拡大中。スマホは大画面化の傾向にありますが、片手での扱いやすさも重要。中国で折りたたみスマホが支持される理由はそこにあるようです。日本人も欧米人と比べると、さほど手は大きくなく、極端に画面が大きいスマホは敬遠される傾向があります。中国メーカーの折りたたみスマホが日本で発売されるようになったら、日本での折りたたみスマホの普及が進むかもしれません。

この「HUAWEI Mate XT」、久しぶりにワクワクするスマホでした。日本発売の可能性は薄そうですが、薄いなりに期待したいものです。

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

 

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