■撮って出しで勝負するなら、「Leica Looks」で“自分好みの写真”を追求しよう
スマホから転送可能なルック(フィルター)には、「Chrome」「Eternal」「Contemporary」「Classic」「Blue」「Selenium」「Sepia」の7種類がありますが、カメラに転送できるのは6種類のみ。ただし、スマホと接続すれば簡単に入れ替えが可能なため、必要に応じてルックを切り替えられます。
また、カメラにはプリインストールされたCore Looksが5種類あるため、これらを含めて幅広いルックの変化を手軽に楽しむことができます。
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▲シャッタースピード1/400秒、F2.8、ISO100、ライカQ3 43「Eternal」
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▲シャッタースピード1/800秒、F2.8、ISO100、LEICA Q3 43「Eternal」
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▲シャッタースピード1/250秒、F2.8、ISO100、ライカQ3 43「Eternal」
作例を撮影していて特に気に入ったのは「Eternal」です。コントラストと彩度が高く、最初は少し使いづらい印象でしたが、明暗差のあるシーンでのスナップ撮影と相性が良く、より印象的で雰囲気のある仕上がりを楽しめました。
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▲シャッタースピード1/1250秒、F2.8、ISO100、ライカQ3 43「Eternal」
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▲シャッタースピード1/3200秒、F2.8、ISO100、ライカQ3 43「Eternal」
赤系の色味が印象的で、画面内に赤いものがあると特に映えます。高彩度でコントラストの強い画は、モダンな印象を与えつつ、どこかポジフィルムを思わせるような懐かしさも感じさせます。
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▲シャッタースピード1/125秒、F2.0、ISO100、ライカQ3 43「Eternal」
ポートレートの場合、肌の色味に独特の癖が出ることがあります。使えないわけではありませんが、人物をメインの被写体とする際には、色味を確認しながら撮影すると、より満足のいく仕上がりになると感じました。
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▲シャッタースピード1/80秒、F2.0、ISO100、ライカQ3 43「Classic」
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▲シャッタースピード1/80秒、F2.0、ISO100、ライカQ3 43「Classic」
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▲シャッタースピード1/2000秒、F2.0、ISO100、LEICA Q3 43「Classic」
「Classic」はアナログシネマのルックを取り入れることを目的にデザインされています。高コントラストながら「Eternal」より明るくハイキーで、肌の色に癖が出にくいため、ポートレートでも使いやすいと感じました。
緑がかったアンバー寄りの色合いが、どこかノスタルジックな雰囲気を演出します。
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▲シャッタースピード1/800秒、F2.8、ISO100、ライカQ3 43「Classic」
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▲シャッタースピード1/1000秒、F2.0、ISO100、ライカQ3 43「Classic」
スナップ撮影とも好相性です。見慣れた街並みがどこか懐かしい雰囲気に変わり、思わずもう少し歩いてみたくなるような気持ちにさせてくれます。
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▲シャッタースピード1/1250秒、F2.0、ISO100、ライカQ3 43「Contemporary」
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▲シャッタースピード1/1250秒、F2.8、ISO100、ライカQ3 43「Contemporary」
「Contemporary」は明るく自然な色合いが特徴で、ナチュラルモダンな仕上がりを楽しめるルックです。
色味に癖が少なく、明るく爽やかな印象のため、さまざまなシチュエーションにマッチする万能感があると感じました。
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▲シャッタースピード1/400秒、F4.0、ISO100、ライカQ3 43「Chrome」
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▲シャッタースピード1/640秒、F2.8、ISO100、ライカQ3 43「Chrome」
「Chrome」は低彩度で抑えめなコントラストが特徴で、落ち着いた雰囲気を演出します。明暗差が強く赤が印象的な場面や、要素が多い街並みでも、洗練されたエレガンスを感じさせてくれるルックです。
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▲シャッタースピード1/125秒、F3.2、ISO50、ライカQ3 43「Chrome」
しっとりと落ち着いた色味は、ポートレートでも重厚感があり、上品な印象を与えます。
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▲シャッタースピード1/1250秒、F4.0、ISO100、ライカQ3 43「Chrome」
被写体次第ではモノクロのような雰囲気を醸し出しますが、完全なモノクロとは異なり、わずかに色味を感じられるため、独特で味わい深い表現が可能です。
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▲シャッタースピード1/1000秒、F2.0、ISO100、ライカQ3 43「モノクロHC」
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▲シャッタースピード1/640秒、F4.0、ISO100、ライカQ3 43「モノクロHC」
せっかくなので、プリインストールされているルックの中から「モノクロHC」も試してみました。黒の締まりが良い高コントラストなモノクロは、光と影の表現に最適です。
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▲ シャッタースピード1/320秒、F4.0、ISO100、ライカQ3 43「モノクロHC」
ハイライトからシャドーまでの滑らかな階調感は、さすがライカと感じさせる仕上がりです。ポートレートをモノクロで撮影することで、どこか情緒的な雰囲気が生まれ、いつもとはひと味違ったスパイスを効かせられます。
今回は特に気に入ったルックを中心に、作例とともに紹介しました。どのルックも個性的でありながら、過度に彩度やコントラストが強調されることなく、写真表現として非常に完成度が高いと感じました。ライカが長年培ってきた写真への哲学や画作りが、「Leica Looks」に凝縮されているようです。
ルックを適用することで簡単に魅力的な写真に仕上がりますが、欲をいえば、それぞれのルックを元にユーザーの好みに合わせて、コントラストや彩度をさらに調整できる機能があれば、より幅広い表現が可能になると感じました。
■“RAW現像派”も、“撮って出し派”も満足。「ライカQ3 43」は全てを叶える一台だ
「Leica Looks」は、ライカの考える写真表現を気軽に楽しめる機能です。撮って出しのJPEGがこれほど魅力的で、さまざまなシーンにマッチするルックが揃っているのは、フォトグラファーとしても非常にうれしいポイントでした。特に「Eternal」や「Classic」は印象的な雰囲気を作り出してくれ、シーンに応じた使い分けが楽しく、撮影がよりクリエイティブに感じられます。
また、スマホアプリ「Leica FOTOS」との連携により、撮影した写真を簡単にSNSにアップロードできるのも便利。RAW現像に慣れている人でも、「Leica Looks」でここまで良いJPEGが得られると、撮って出しを積極的に使いたくなり、SNSでの共有も楽しめるでしょう。
前回の記事でも触れたように、RAWの高いクオリティと、手軽に魅力的なJPEG撮影ができる「ライカQ3 43」は、初心者から上級者まで幅広い層に楽しんでもらえるカメラだと改めて実感しました。
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<取材・文/田中利幸 モデル/久木田帆乃香(@honoka_kukita) 取材協力/ライカカメラ>
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