■無加工でこの仕上がり。豊かな色彩と粒子感が何気ない風景写真を一変させる
それでは、さっそく作例を見ていきましょう。すべてソニーの「α7CII」で撮影した写真で、jpg撮って出しの無加工データです。
とりあえず撮影を始めようと思い、最初にシャッターを切った一枚です。まずは「光漏れなし」で撮影してみましたが、雰囲気の良い仕上がりに。
カメラのモニターで確認した瞬間、思わず「おぉ」と感嘆するような味わい深い一枚に、この日の撮影がますます楽しみになりました。
次は、このレンズの特徴である「光漏れ」を試してみます。レンズの鏡筒部分にある黒いリングは、回転させたり前後に動かしたりすることが可能。このリングを動かすことで、レンズの隙間から光が入り込み、撮影した写真に独特な光漏れ効果が現れます。
また、隙間の広さや位置を調整することで、光漏れの雰囲気を自由に変えることができます。
光を取り込む隙間を最大まで開けると、全体的にフワッとした光が入り込み、コントラストが低下して幻想的な雰囲気に仕上がります。
ただし、隙間を全開にしても画面の端まで光漏れが広がらない点が、少し気になるところでした。
隙間に強い光が差し込むと、また異なる表情の光が写り込みます。光の漏れ具合の調整は少し難しく感じましたが、ミラーレスカメラならではの利点を活かして、リアルタイムで確認しながら撮影できるため、自分好みの光の具合を探す作業も楽しく感じられました。
中心部分は適度にシャープでしっかりと写り込む一方、周辺は柔らかくボケるため、撮影の仕方によってはミニチュア風の効果を楽しむこともできます。
また、周辺減光が強めに出ることで、四隅が暗く落ち込み、トイカメラのような味わい深い仕上がりになるのも魅力です。
このレンズは絞りがF11で固定、ピントも1mから無限遠で固定されているため、まるで「写ルンです」を使うような手軽さで撮影を楽しめます。
さらに、SONYのフィルムライクなクリエイティブルック“FL”と組み合わせることで、シャッターを切るだけで簡単にノスタルジックな雰囲気を演出することができます。
やや広角寄りの28mmという画角は、スマートフォンのカメラに近い感覚で使えるため、普段からスマホで撮影している方でも自然に扱えます。
また、このレンズならではの独特な味わい深い描写は、どんな被写体を撮影しても絵になる魅力があります。
■シャッターを切るたび、新たな感動。スマホでは味わえない“特別”な一枚を撮ろう
「PolarPro LightLeakレンズ」は、シャッターを切るだけでノスタルジックな光漏れやトイカメラ風の味わい深い雰囲気が楽しめるユニークなレンズです。普段使っている一眼レフやミラーレスカメラに取り付けるだけで、簡単にノスタルジックな写真を撮影できます。軽量コンパクトな設計なので、小型カメラとの相性も抜群で、散歩や街撮りにも最適です。
光漏れの調整には少し慣れが必要ですが、その試行錯誤もこのレンズならではの楽しみ方。スマートフォンや普通のレンズでは撮影できない、クセのある個性的な写真が撮れるのが最大の魅力です。何気ない日常を特別な1枚に変えたい人や、写真に個性をプラスしたい人にはピッタリのアイテム。
新しい写真表現の楽しみを広げる相棒として、ぜひ試してみてください。写真を撮る喜びがさらに深まること間違いなしです!
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<取材・文/田中利幸 取材協力/UAVOOM>
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