雨や風に負けないタフなテントやタープですが、いつの間にか穴が空いたなんてことはありませんか? 「キャンプは秋からが本番」なんて言われますが、焚き火で火の粉が舞ったり、冷め切ってないストーブが幕に触れたり、トラブルが増える季節でもあるんです。
ここで頭をかかえるのが補修をどうするか。
国内の大手メーカーであれば修理センターを備えて迅速に対応してくれるんですが、修理対応していないブランドだと断られることも。
穴はあいていても生地はしっかりしていてまだ使えそうだし、なんてったって思い出が詰まっていると捨てるに捨てられません。
冬の大掃除で泣く泣く処分しようと考えている人、ちょっと待って!
テンマクデザインの修理&加工を請け負っている「コンペイジ」で、一般ユーザーからの修理受付がはじまったと聞き、見学に行ってきました。ついでにトラブル予防についても教えてもらっちゃいました。
■テンマクデザインの生産工場と情報・技術を共有
いくら修理するといっても技術力がないようでは不安しかありません。
コンペイジのスゴイところは、テンマクデザインの海外生産工場と連携をとっていて定期的に現地で研修を行っていること。
生産用の生地やパーツと同じものを補修用に用意するのはもちろん、生地の扱い方も同じだと言います。
生地やパーツがズラリ。全部で1万ピースくらいあるそうで、それを管理するのも大仕事。
おまけにすでに廃番となった製品や開発サンプルなんかも保管しています。
大変だし場所もとりますが「古い製品は、代替パーツがあっても元の仕様がわからないとちゃんと修理できませんから」と遠藤さん。
バインディングや三巻縫製にはラッパ(ジグ)を使うのですが、これも生産工場と同じものを調達し、加工手順も共有しています。だから仕上がりに違和感がありません。
テンマクデザインのテントはTC製が多く、TC素材にはシームテープを使えません。そのため生産工場で使っている、水を含むとふくらむ防水糸で補修。針も摩擦で熱くなると生地を傷めるので、針も工場と同じ。徹底しています。
■トラブル防止にはなにを気をつければいい?
「意外に多い相談は収納袋。紛失したので純正がほしいと言う方って多いんですよ」と遠藤さん。
コンペイジでは収納袋も用意していますが、どうしても割高になるわけで。風に飛ばされたりほかの荷物に紛れたりしないよう整理整頓!
裾の固定が甘く、風によって幕が浮き上がって落ちるときにポールに突き刺さって破損するなんてことも。
コンペイジでは破損状況を見て、テンマクデザインの生産工場とともにできるだけそのような破損を回避できる製造方法を探したそう。メーカー社内で情報共有して製品にフィードバックするっていうのはよく聞きますが、修理担当会社が提案するってスゴイ。
もちろんワンポールテントユーザーは面倒くさがらずに裾をきっちり固定してトラブル防止!
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