➖様々なリスクを乗り越えて、発売前の製品群が店頭に並ぶわけですね。「しまった、違ってた!」なんてことはないんですか?
高橋:2016年のiPhone 7については回収になる等のトラブルはありませんでした。特に情報が遅いのが、名称なんです。パッケージに印刷するために、iPhoneの商品名が必要じゃないですか。ここはいつも迷わされます。
メーカーさんによってはそこを避けて「2016年NEWモデル」と表記するところもあります。それは無難ではあるんですが、いざ正式に発表されると、今度は量販店側がその表記を嫌がる場合もあるんですね。だからなるべく正式名称を最初から出したい。どうしてもという場合には、発売後にシールを貼って対応する場合もありますが。
➖うわー、神経が休まらない感じですね。
高橋:今回はそれに加えてApple Payの対応もギリギリでした。特に商品のケースを付けた状態で自動改札を通過できないといけないので、そこの検証は実機が手に入るまで慎重に待つことにしました。なので先発で出すのは材質、デザインともにシンプルなもの、リスクの低いものが多くなります。過去の製品を踏襲したものも多く、なるべくババを引かないようにと(笑)。
先行商品では、背面のカメラレンズ用の穴も少し大きめにして余裕を持たせました。今回からイヤホンジャックがなくなったことについても、空いた部分がどんな機能を持つか分からないので、どう処理するかを検討して。そうした部分は実機で検証して、後発商品からはジャストフィットできるようになっています。
➖逆に後発商品は、メーカーごとの個性が出てくるわけですね。
高橋:そうですね。凝った材質のものだったり、デザインや機能面でギミック性の強いものは後発で、年末商戦や年明けにという感じです。弊社はキャラクターものも力を入れているんですが、そちらは権利元の監修も入ることもあって、やはり後発に回る感じですね。