■昭和の人気玩具とキャラクターの世界
子供時代は「鍵っ子でテレビっ子」だったと言う、1974年生まれのDJフクタケ氏。自身の原風景である'80年代(=昭和50~60年代)を中心に、“もはや文化事業”とも言われるほどキッズカルチャーを掘り下げている彼ですが、ズバリ、彼がこだわる昭和時代のアイテムの魅力はどの辺りにあるのでしょう? それは「モノとしてのチャーミングさ」だと言います。
DJフクタケ「ただ完成度が高ければ良いって訳でもなくて、隙があって、ツッコミどころがあるのがイイ。今のようにマーケティング主導で作られていなかったからですよね。何でもデータを参照するのではなく、人間が目分量でやってる故の“ほつれ”みたいなところに愛おしさを感じます」
なるほど、そんな時代だったからこその勢いと熱量、そしてユルさが共存しているのが“昭和の味”なのかも知れません。それでは実際にDJフクタケ氏所有のレアなトイキャラネタ7インチレコードを見ながら、懐かしくも新鮮な昭和トイキャラの世界を紐解いていきましょう。
まずは男児向け玩具、タカラのSFシリーズです。兵士人形「ニューGIジョー」をベースに、1972年、透明ボディと輝く内蔵メカの「変身サイボーグ」が誕生。これを原点に、メカニカルなクールさを追求した「アンドロイドA」、人形を10cm大にダウンサイジングして乗り物や基地遊びがぐ~んとワイドになった「ミクロマン」、さらに大型ロボットや変形遊びに特化した「ダイアクロン」へと続いていき、この流れが今や世界的に大人気の「トランスフォーマー」にもつながりました。
DJフクタケ「僕自身はミクロマンの後期からダイアクロンの世代なんですけど、バッタ屋で古いオモチャが安く売ってた時にアンドロイドAシリーズの敵役『宇宙人』を買ってもらって、一緒に遊んだりしてました。最初はどういう位置付けのモノか分かってなかったけど、後から一連のシリーズの流れをつかんでいったんですよね」
7歳上の従兄からよくお下がりのオモチャをもらっていたこともあって、幼い頃から「時代が古くてもカッコイイものはカッコイイ!」という意識が芽生え、歴史的なつながりを見るクセが付いていたんだそうです。
続いて、ヒット玩具と女児向け玩具について見てみましょう。