安蔵:バルミューダが「バルミューダ ザ・ゴハン」を2月に発売しましたが、そのときに寺尾社長が話していた「カレー」がついにできあがったようですね。
奈津子:私は発表会にはうかがえなかったのですが、「カレーとの相性が抜群にいい」と言いつつカレーが出なかったとか(笑)。
安蔵:そうなんですよ。先日発売した「バルミューダ ザ・カレー」は、創業60年を超える上野の老舗、デリーとのコラボレーションによって生まれた「カレーソース」です。
奈津子:「製品」ではなく「体験を提供する」という発想はバルミューダの寺尾社長ならではですが、まさかこのタイミングでカレーを出してくるとは思いませんでした。私は激辛食品が苦手な方なんですが、これは不思議と自然にスプーンが次々と口に運ばれていきました。
安蔵:頭皮からジワッと汗が出てくるような辛さですが、甘味もあって食べやすいですよね。
奈津子:タマネギの甘みが特に効いていて、自宅ではなかなか味わえないプロの味、それでいてどこか懐かしさもある印象でした。製品はカレーソースのみなので肉や野菜は別で用意する必要があるため、通常のレトルト以上に手間はかかりますが、それだけの魅力はある味ですね。特に歯ごたえのあるバルミューダ ザ・ゴハンの独特な味のご飯にはベストマッチだと感じました。
安蔵:家電メーカーが食品を販売するのは販路が異なるので大変でしょうが、ユーザー体験を重視するバルミューダならではの取り組みとして興味深いですね。
奈津子:寺尾社長は「素晴らしい恋のようなカレー」と表現されていて、正直“恒例の寺尾イズム”だなと思いました(笑)。でも食べてみて納得。口に含んだ瞬間の「いま一体、なにが起きたのか!?」と不思議に思う気持ち、続けて口に含んだときの「運命としか思えないような感覚」、さらに食べていくと「なるほど、このひと(カレー)しか自分にはありえない」……なかば観念するような感じにも似たなんとも言えない感情になりました。確かに、これは恋以外のなにものでもないかもしれません。
安蔵:相当ですね(笑)。