■2代目サバンナRX-7(1985年)~ライトウェイトから発展したマツダのフラッグシップ
初代RX-7は車両重量が1t前後しかない(前期のGT/5MTで980kg)、ライトウェイトスポーツモデルでした。2代目となるFC3Sは、ライトウェイトスポーツから本格スポーツカーへと大きく進化しました。80年代は国内メーカーがパワー競争を繰り広げていた時代。RX-7の変化にはそのような背景があったのでしょう。
ボディは初代よりも一回り大きくなり、車両重量は前期のGTリミテッド(5MT)で1280kgになりました。エンジンも排気量が654cc×2でインタークーラーターボを搭載する13Bにスイッチされます。最高出力は185ps/6500rpm、最大トルクは25.0kg-mにまでアップしました。エンジンパワーはマイナーチェンジのたびに高められ、最終的に215ps、28.5kg-mまで進化します。
このパワーを受け止めるため、トーコントロール付きのリアマルチリンクサスペンション、前後スタビライザー、4輪ベンチレーテッドディスクブレーキなどを採用しています。
FC3Sにはスポーツカー以外に、当時ブームだったスペシャリティカーとしての役割も与えられていたと思います。1987年には電動ソフトトップを装備したRX-7カブリオレが登場しました。ロータリーエンジンを搭載したオープンカーは、このモデルしかありません。
■3代目RX-7(1991年)~280psに達したピュアスポーツ
1991年、マツダの販売チャンネルの一つであったマツダオート店がアンフィニ店に名称変更。FD3Sは、アンフィニRX-7としてデビューしました(1997年の途中からアンフィニが取れてRX-7という車名に)。艶めかしささえ感じるボディラインにため息が出たという人も少なくないはずです。
FD3Sの全幅は1760mm。つまり3ナンバーサイズになります。一方で全高は1230mmとFC3Sより40mm低くなりました。エンジンは低速域と高速域で別のターボを利用するシーケンシャルツインターボを搭載した13B。最高出力は255ps/6500rpm、最大トルクは30.0kg-m/5000rpmとなりました。さらにマツダは開発にあたり、オールアルミ製ダブルウィッシュボーンサスペンションをはじめ、徹底的な軽量化を行います。その結果、4.9kg/psという驚異のパワーウェイトレシオを実現しました。
FD3Sは一部改良やマイナーチェンジを繰り返しながら、その運動性能を高めていきました。モデルはデビュー時の1型から最終の6型に分類されます。4型(1996年1月~)ではMTの最高出力が265psにアップ、ここでテールランプが丸型3連タイプに変更されました。
さらに5型(1999年1月~)でタイプR、タイプRS(ともにMTモデル)の最高出力が280psに達します。2002年4月には最終限定車となるスピリットRを発売。スピリットRにはタイプA、タイプB、タイプCが存在し、タイプA(新車時価格399.8万円)は現在でも中古車市場で300万円台後半以上の値がついています。
孤高のピュアスポーツだったRX-7は2002年8月に24年の歴史に幕を下ろしました。そしてロータリーエンジンの伝統は2003年4月にデビューしたRX-8へと受け継がれます。そのRX-8も2012年6月に生産終了となりました。
■ロータリーエンジンは今も開発が進む
RX-7の絶版から15年経ったのと同時に、2017年はマツダがロータリーエンジンを初搭載したコスモスポーツが登場してから50周年となる節目の年でもあります。ロータリーエンジン搭載車がなくなった現在でもマツダはロータリーエンジンの研究開発を行っていることを公言しています。
次世代ロータリーエンジン<SKYACTIV-R>の搭載予定などはまだ不明ですが、2015年の東京モーターショーではロータリーエンジンを搭載するコンセプトカー「Mazda RX-VISION」を公開しました。今年の東京モーターショーではどんな驚きを私たちに与えてくれるか、今から楽しみです。
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(取材・文/高橋満<ブリッジマン>)