【識者の目_写真家・桃井一至さん】
今後はミラーレス人気がさらに加速
2017年のカメラ業界を振り返ると'16年よりも出荷数量は微増。底を打った感があり調子は上向きだ。
カメラ本体を見渡すと、レンズ交換式一眼カメラは昨年から引き続き、比較的高額機種の勢いが目立つ。'16年秋のフォトキナでデビューを飾り、'17年2月に発売された中判カメラの富士フイルム「GFX50S」。4K60Pで動画の強さを見せつけたパナソニック「GH5」。AF/AE追従で一眼レフの高速連写コマ数を抜き、ブラックアウトフリーも実現したソニー「α9」。一眼レフで現在できることをほぼすべて注ぎ込んだニコン「D850」。画素数とスピードを両立させたソニー「α7RⅢ」など、精鋭が揃う。
コンパクトカメラも、堅牢性が売りのオリンパス「TG-5」、大型センサー搭載のキヤノン「PowerShot G1 X MarkⅢ」など、一芸に秀でた製品は堅調だ。VR技術を見据えたリコー「THETA Ⅴ」も手軽さと相まって人気は高い。
全体としてみれば、イノベーションや話題性に欠かないミラーレスモデルの加速が目立ち、国内市場の一眼レフとミラーレス比は転換期に来ている。一眼レフも人気だが、いわゆる一眼レフメーカーも今後はミラーレスに本腰を入れそうな気配だ。
●桃井一至さん
1968年生まれ。長友健二氏に師事後、独立。現在は人物、海外風景などの写真撮影をはじめ、カメラ関係書籍の執筆、テレビ出演なども行う。日本写真家協会会員
本記事の内容はGoodsPress1月号30-31ページに掲載されています
[関連記事]
新しい視聴体験を満喫できる4Kテレビ&レコーダー10選+α【2017傑作品 GP AWARD】
高音質設計を突き詰めた3タイプのイヤホン&ヘッドホン12選【2017傑作品 GP AWARD】
飛ばす満足感がたまらない新鋭ドローン10選【2017傑作品 GP AWARD】
(文/高橋 智)