【識者の目_ITジャーナリスト・西田 宗千佳さん】
購入の決め手は軽さか、性能か
2017年は、両者の傾向が異なる年になった。ノートPCでは、薄型で完成度の高い製品が多い、実りの多い年になった。CPUとメモリー量、OSのバランスがとれた使いやすい製品が増加。その中で見えてきたのが「軽さにこだわる国内メーカー」と「バランスにこだわる海外メーカー」という切り分けだ。
性能的に特筆すべきものはないが、NECや富士通のように軽さや薄さに注力する動きがある一方で、マイクロソフトのように重量はそこそこで機能は最先端、デザインや素材感にこだわるメーカーもある。世界的な潮流は後者だが、軽さが重視される日本では、違った見方もあるだろう。
一方で、ゲームやVRの影響か、ノートPCでもGPU性能を求める流れがある。'17年は、そうした製品も目立ち始めた。おそらく'18年は、さらに薄くて軽いがGPU性能も高い製品が増えることだろう。一方でタブレット市場は停滞が続いており、バリエーションが弱くなる中で、性能の2分化が進んだ。その中でiPadの進化は著しい。特に10・5インチ「iPad Pro」の完成度は高い。だが、主力が10インチクラスに移り、高額化してきたことで、PCとの差別化がより重要になってきている。
●西田 宗千佳さん
1971年生まれ。PCやデジタルAV、家電、ネットワーク関連など幅広い分野を対象に、取材記事や解説記事を執筆。新聞や雑誌、ウェブなど多彩な媒体に寄稿する。
本記事の内容はGoodsPress1月号28-29ページに掲載されています
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