【識者の目_リノべる石井千尋さん】
インテリアに馴染んで自然に使えるアイテムで便利さを実感
東京・渋谷にあるリノベーション会社、リノベるのショールームは、自宅のリノベーションを考えている人に、ひとつの提案としてIoTR家電を紹介するスペースだ。2015年のオープン後、約30の機器を設置して検証していたが、昨秋に全面リニューアル。機器の数を減らし「リアルな生活の中で実用性の高いものに絞って展示している」と、リノベるの石井千尋さんは現状を説明する。
「リニューアル前はいわば実験の場として、リノベーションとIoT家電の組み合わせを考えてきましたが、さまざまな機器を試していくうちに、実生活で本当に役立つ機器が見えてきました。現在はインテリアなども充実させて、本当の生活に近い形で各機器を展示しています」
実際、このスペースにある機器は普段の生活に欠かせないものが多く、操作も簡単。IoT関連の機器はここ数年で幅広いアイテムが登場してきたが、未来ではなく現在の生活に役立つものが少しずつ明確になってきた印象だ。
「やはり今までになかった機器ではなく、既存の家電などと置き換えられるものや、生活の困りごとを手軽に解消できるアイテムが、お客様からも好評です。実際に導入する際にも、この観点が大切だと思います」
さらに昨年からスマートスピーカーに対応する機器が増えたことも、IoT家電の操作性を格段に向上させたという。
「それぞれに個別のリモコンを使ったり、電源を入れるたびにスマホのアプリを立ち上げたりするのは、やはり不便です。その点、スマートスピーカー対応の機器は、その場にいながら音声で一括操作できるので便利。デジタル機器などにあまり詳しくなかった私でも、スムーズに使いこなせています」
設定などに多少手間がかかることはあるが、一度使い始めればその便利さから離れられなくなるはず。自分の生活に合う機器を見極め、賢く使いこなすコツを覚えれば、次世代のライフスタイルをすぐにでも実践できるだろう。
<IoT家電を賢く導入するコツ>
■普段よく使う機器を置き換える
新機軸のアイテムや設定が複雑な製品は、操作に慣れるまでが大変。照明や掃除機など用途が明確で、普段の生活に欠かせない機器なら、扱いやすくメリットもわかりやすい。
■コンセントがある場所をチェックする
大半の製品はやはり電源が必要。コンセントの場所が使い勝手を左右するので、導入前に場所をチェックする。目隠しになる収納場所を作るのも、スマ ートに活用するコツだ。
■スマートスピーカーと組み合わせる
IoT家電の操作性をア ップさせるには、スマートスピーカーの導入がベスト。機械が苦手な人でも音声で簡単に操作できる。対応するAIアシスタント機能を確認して組み合わせる
■便利なアプリで設定を済ませる
リノベるが提供している「Connectly App」など、IoT家電の設定に役立つアプリも登場。分かりやすい画面で簡単に設定できたり、複数製品を一括管理したりできるので便利だ
■ネットで“先人の知恵”を探す
操作や設定のコツ、便利な使い方のアイデアなどを、ネット上で紹介している人も多い。新ジャンルの家電でユーザ ーがまだ少ないものは、特にこうした先人の知恵が役立ってくれる。
本記事の内容はGoodsPress4月号30-33ページに掲載されています
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(取材・文/高橋 智 写真/田口陽介)