■オリジナルの注ぎ口で、細くも太くも注湯できる
野田琺瑯
「ドリップポット ANBI 」(7560円)
デザイン:★★★★★ 持ちやすさ★★★★ 注ぎやすさ★★★★
工業デザイナー・山田耕民の手による「どのアングルから見ても美しい」をコンセプトに作られたポット。上から見ると四角、横から見ると丸みを帯びた個性的なフォルムで、インテリアにもよく馴染む。カラーは全4 色で、蓋の持ち手は天然木。
容量:1.2ℓ サイズ:約W220×H195×D112mm 本体重量:約670g
【CHECK】
先を絞った注ぎ口により、湯を繊細にコントロールできる。太くも出せるので、カップやサーバーを温めるのに重宝する。
■本体はふくよかだが、注ぎ口は繊細。見た目以上に湯量調整がしやすい
ovject
「ドリップケトル[1.8L]」(7560円)
デザイン:★★★★★ 持ちやすさ:★★★★ 注ぎやすさ:★★★★
ぽっちゃりとしたフォルムに、一体感のある木蓋がアクセント。IHやガスコンロに対応するため、湯を沸かすケトルとして、ドリップポットとして、汎用性は高い。ホーローコーティングがされたボディカラーは、落ち着きのあるマットな全4色。
容量:1.8ℓ サイズ:約W260×H185×D140mm 本体重量:810g
【CHECK】
1.8ℓもの湯が入るだけに、細く注ぐ時の傾け具合は内容量で変わる。ハンドルの形状の良さもあり、想像以上に調整しやすい。湯切れもよい。
■独特の形状をした“スワンの喉”が細く安定した注湯を実現する
Noi
「ドリップマスターケトル」(1万9440円)
デザイン:★★★★ 持ちやすさ:★★★★ 注ぎやすさ:★★★★★
最大の特徴は、ネックにある“スワンの喉”と呼ばれる独自構造。正しい “蒸らし”を実現するために、細く安定してお湯を落とせる。本体には、同社ドリッパーと同様のダイヤカット形状があしらわれている。蓋も安全に開閉できるようこだわっている。
容量:1.0ℓ サイズ:約W290×H210×D140mm 本体重量:420g
【CHECK】
独自のノズル形状と、角度を付けたグリップしやすいハンドルにより、手首を少し傾けるだけで狙った場所に細くゆっくりと湯を注げる。
■ポットの中が見える目からうろこのガラス製
HARIO
「ガラスドリップケトル 」(4320円)
デザイン:★★★★ 持ちやすさ:★★★★ 注ぎやすさ:★★★★★
コーヒーポットでは珍しい、オール耐熱ガラス製。扱いには気を遣うが、理科の実験道具のような機能美を持つ。最大で360㎖と容量は少ない分、軽く小さく取り回しやすい。手が疲れにくいメリットもある。直火には対応しないが、電子レンジはOK。
容量:0.36ℓ サイズ:約W190×H110×D94mm 本体重量:167g
【CHECK】
本体が軽く、狙ったところにピンポイントで湯を注げる。湯切りがよく、通常の注湯だけでなく、ポタポタと湯を落とす点滴抽出も思いのまま。
■上手にドリップするには、“湯量”のコントロールが大事
連載を始めるにあたりどの珈琲道具を最初に紹介しようか迷ったが、第1回は「ドリップポット」。決め手は10年以上前、某コーヒー器具メーカーの珈琲塾に通っていた時に、ひとりずつ初めて買わされたのがポットだったから。理由は後から分かったが、思い通りにドリップするためには湯量を自在にコントロールする必要がある。それには自分の手となるポットが欠かせないのだ。
そしてもうひとつ。極めてシンプルな道具なのに、毎年のように新しいモデルが誕生し、進化していることもある。今回取り上げたのは、いずれも独特で、本体素材や形状、容量が異なるモデルたち。素材はホーロー、ステンレス、ガラスで、容量は最小が360㎖、最大は1.8ℓとなっている。
ポットはインテリアとしての役割もあり、デザイン面も見逃せないが、美味しく淹れるという観点から選ぶ場合は、湯をいかに正しい場所に的確に落とせるか。そしてゆっくりと抽出(コーヒー粉との接触時間を長く)するために、できるだけ湯を細く注げるかに尽きる。どれがベストかの正解はないが、美味しくドリップするには、湯を自在にコントロールできるポットでなければならないのだ。
<ドリップポットの優先順位>
優先順位:★★★★★
コーヒーをドリップで淹れるには「ミル」「ドリッパー」「ポット」が欠かせない。ポットは購入を後回しにされがちだが、湯量を調整するには技術の習得が必要。ドリップを極めるのなら、ポットの特性をつかみ、思い通りに湯を落とせるようになるまで練習だ!
本記事の内容はGoodsPress4月号132-133ページに掲載されています
>> 珈琲道具極道
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(構成・文/八雲 三十九 写真/ sono( bean))
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