■Astell&Kernからポータブルオーディオプレーヤー2機種が登場
安蔵:韓国アイリバーの人気オーディオブランド、「Astell&Kern(アステル&ケルン)」からハイレゾ対応のポータブルオーディオプレーヤー2機種が登場しました。2017年7月にフラッグシップモデル「A&ultima SP1000」を発売してから「A&なんとか」というシリーズ名に変わりましたが、ようやくプレミアムラインとスタンダードラインがそろいました。
奈津子:「A&futura SE100」(実勢価格20万3600円)はクラシックなデザインがかっこいいですね。最初に民族楽器のような曲と聖歌隊の歌をスピーカーから試聴しましたが、スピード感とダイナミックさを感じました。ヘッドホンで聴いたエリック・クラプトンの『Change the world』はスマホで聴いたときよりも雑味が削ぎ落とされて、あっさりしている中になめらかさがあり、洗練されている感じがしました。
安蔵:聴き始めてすぐに情報量の多さを感じますよね。メリハリがあってパワフルというより、伸びやかなサウンドという印象を受けました。
奈津子:私がレギュラー出演している「開運!なんでも鑑定団」(テレビ東京系)でテーマソングになっていることもあって、ビートルズのアルバム『1』も一通り聴いてみましたが、アコースティックギターの弦を弾く感じがとてもなめらかに聞こえました。マイケルジャクソンの『Thriller』は冒頭の扉がギギギっと開く音からゾクゾクします。どっぷり没入する感じというよりは、美しく整えられていて、映画館のスクリーンで物語を観ているような気分になりました。ただ、実勢価格は20万円を超えるので、なかなかのお値段ですよね……。
安蔵:スタンダードラインの「A&norma SR15」(実勢価格9万2580円)あたりなら、まだ買えそうですよね。A&futura SE100はオーソドックスなデザインですが、こちらはディスプレイ自体が斜めに傾いていてかなり攻め込んだフォルムになっています。
奈津子:SR15ではブンブンサテライツのエレクトロリックな曲とアニソン、ビートの聴いたサカナクションの『バッハの旋律を夜に聴いたせいです』を試聴しました。小さな音の粒がキラキラしてるような、細かい音ですら寸分も逃さないような感じを受けました。
安蔵:A&ultima SP1000は確かに高音質なんですけど、よほど音にこだわりがない限り持ち運びには向かないというか、重すぎるんですよね。SP1000はステンレスモデルが約386.6g、カッパーモデルが約387.9gですから。その点、A&futura SE100は若干コンパクトですし、約241gと軽く仕上がっています。A&norma SR15は手にすっぽり収まる大きさで約154gと軽いので、使い勝手はかなりいいですね。
■周囲の音を聞き取りやすい新コンセプトの完全ワイヤレスイヤホン
安蔵:オーストラリアの「Nuheara」から、完全ワイヤレスイヤホン「IQbuds」(実勢価格3万9880円)と「IQbuds BOOST」(同5万8880円)が登場しました。周囲の音を消す「ノイズキャンセリング」ではなく、周囲の騒音は抑えつつ人の声を聞きやすくするようにチューニングする「SINC(スーパーインテリジェントノイズコントロール)」技術を搭載しているのが特徴です。
奈津子:実際に聞いてみましたが、密閉性がものすごく高いと思いました。完全ワイヤレスの中でも新ジャンルですね。ノイズキャンセリングは周囲の音と正反対の波を持つ音をぶつけて音を消すため、聞く人にとっては少し疲れる上に負担がかかるのだそうです。本来の良いイヤホンというのは音を分離できることではないだろうか……そんな考えで開発したというのが興味深かったです。
(取材・文/安蔵靖志 奈津子)
ドラマ、CMの出演多数。「家電アドバイザー」資格を取得し“家電女優”として雑誌、webメディアなど活動のフィールドを広げて活躍中。TOKYO FM「Skyrocket Company」レギュラー出演中(火曜18時〜)。instagramは 「natsuko_kaden」、Twitter「natsuko_twins」