2018上半期 注目製品ホンネレビュー[炊飯器編]

■銘柄の違いによる食感が存分に楽しめる

パナソニック
「Wおどり炊き SR-VSX108」(実勢価格:10万3590円前後)

デザインを一新した“Wおどり炊き”の2018 年度モデル。 新たにお米の含水率により鮮度を検知する“ 鮮度センシング”機能を搭載した。乾燥したお米でも美味しく炊ける。

●炊飯容量:0.5~5.5合(1ℓ)
●定格消費電力(炊飯時):約1210W
●サイズ:W27.5×H23.4×D36.1cm
●重量:7.8kg

「Wおどり炊き」では、幅広いお米の品種の個性を生かして、最適に炊き分けられる “銘柄炊き分けコンシェルジュ” 機能を搭載する。最新の「VSX108」でも、50銘柄の炊き分けに対応。今年本格デビュ ーの福井県産「いちほまれ」や宮城県産「だて正夢」などの銘柄も美味しく炊ける。実際に複数の銘柄を炊き分けてみたが、それぞれの個性の違いに驚いた。

「いちほまれ」は甘みと食感などのバランスが良くて多くの人が楽しめる味。それに対して低アミロース米の「だて正夢」は甘みと弾力が強く、お米が好きな人に喜ばれる強い味だった。銘柄ごとの個性を発揮させられるのも“銘柄炊き分けコンシェルジュ”のおかげ。このほか通常の銀シャリメニューで「しゃっきり」「もちもち」「かため」「やわらか」の食感を各3段階で調整可能。「ふつう」を足した13段階の食感で炊き分けられる。

▲内蓋のセンサーが、炊飯中の減圧時間の差からお米の乾燥状態を認知する“鮮度センシング”機能を搭載。乾燥米にはより圧力を掛けてパサつきを抑え、甘みをしっかりと引き出せる

▲内釜にはアルミやステンレス、セラミックスなどを組み合わせた“ダイヤモンド竈釜”を採用。内側には細かな泡を発生させるためのダイヤモンドプレミアムコートが施されている

▲本体内側の汚れやすい部分はステンレス製クリアフレームを採用。凹凸のない天面パネルとともに簡単に拭き掃除が可能だ。なお、内蓋には洗いにくい調圧ボールなどがなくサッと洗える

■美味しくて栄養満点な無水調理もお手のもの

バーミキュラ
「ライスポット ミニ RP19Aシリーズ」(実勢価格:6万9984円)

同社製の鋳物ホーロー鍋とポットヒーターを組み合わせてご飯が炊ける人気炊飯鍋の、コンパクトな3合炊きモデル。おかず調理に対応し、無水調理や低温調理もできる。

●炊飯容量:3合
●定格消費電力(炊飯時):約1050W
●サイズ:W25.8×H17.3×D25cm
●重量:5kg

最大3合のごはんが炊ける鋳物ホーロー鍋。熱伝導率の高さや保温力の高さにより、しっかりと熱がお米に伝わり、甘み豊かなご飯が炊ける。おかず調理機能では30~ 95℃まで1℃単位で温度設定して調理が可能。流行りの低温調理もでき、ローストビーフなども楽しめる。

また、密閉性の高さを生かし、野菜に含まれる水分だけで調理する無水調理にも対応。食材の栄養を引き出し、野菜が本来持っている甘みを生かせる。付属のレシピブ ックには無水カレーや無水ロールキャベツの調理方法なども掲載されており、初めてでも調理に迷わない。

▲鍋底には気泡の発生を促すために、水紋上のリブが付けられている。炊飯後の“飯返し”がしやすいよう段差はわずかで、しゃもじが引っ掛からない

▲鍋蓋の内側に二重の突起(ダブルリッドリング)を配置。これによって蓋の裏側に付着した水滴が、炊飯後のごはんに垂れないようになっている

▲ポットヒーター手前にタッチ式の操作パネルをレイアウト。 電源を入れた後、炊飯モードとおかず調理モードのいずれかをシンプルな操作で選べる

■土鍋ならではのモッチリとした食感がたまらない

長谷園×シロカ
「かまどさん電気SR-E111」(実勢価格:8万6000円前後)

ご飯を炊くお釜として伊賀焼の土鍋、長谷園の「かまどさん」を採用した炊飯器。これまでガス火でしか使えなかった「かまどさん」を電気制御し、お米を炊けるようにした。

●炊飯容量:1~3合(白米/雑穀米)
●定格消費電力(炊飯時):約1300W
●サイズ:W30×H26.1×D30cm(土鍋含む)
●重量:7.6kg

「かまどさん電気」の最大の魅力は、ガスコンロがない場所でも、伊賀焼の土鍋「かまどさん」を使ってごはんが炊けること。炊飯器ではあるが、土鍋は「かまどさん」の特徴そのままに製造されている。

そのため、ひび割れや汚れの染み込みをなどを防ぐための“目止め”が不可欠だ。使い始める際は最初におかゆを炊く必要がある。なお、炊き上がったごはんはモッチリとしていて甘みが豊かな、まさに土鍋の味! オール電化などで土鍋でごはんが炊けなかった人でも「かまどさん電気」があれば楽しめるというわけだ。

▲かまどさんで使われているのは、400万年前の古琵琶湖層の土。焼成すると中に微細な穴ができ、その空気層が熱伝導と蓄熱製の高さを両立する

▲IH方式ではなく“シーズヒーター ”を採用。ヒーターを土鍋と密着させて熱を逃がさない構造にすることにより、高温まで加熱できるようにした

▲本体側面にはタッチ対応の操作パネルを配置。炊くお米の種類、炊飯容量、おこげの有無、タイマーなどの各種設定を、直感的に行える

■“糖質カット”だから山盛り食べても安心

サンコー
「糖質カット炊飯器」(実勢価格:2万9800円前後)

炊飯時に糖質が溶け出したお湯を一度捨てる、独自の炊飯方法を採用。これによって白米に含まれる約33%の糖質をカットして炊ける。蒸し料理などにも対応する。

●炊飯容量:1~6合
●定格消費電力(炊飯時):約860W
●サイズ:W28×H33×D40cm
●重量:6.9kg

内釜にお米をセットし、外釜に水を入れて炊飯をスタート。沸騰後にお米に含まれる糖質が溶け出した水分を一旦捨てて、再び水を追加して炊き上げることで糖質がカットできる。炊き上がったごはんは明らかに甘みが弱く、あっさりとした味わい。それだけで食べるには物足りないが、味付けの濃いおかずがあれば問題なし。

普段通り食べても糖質の摂取を減らせるのはもちろん、糖質カットだからこそ「ちょっと多めに食べる」こともできる。罪悪感なくごはんが食べられるため、ダイエットがしたいけどごはんが好きな人に向く炊飯器なのだ。

▲本体下部に2分割されたタンクを搭載。あとで追加する水を格納するエリアと、 糖質が溶け出した水を排水するエリアに分かれている

▲お米は底に穴の空いたザルのような内釜にセット。外釜には排水する分も含めた水を入れて炊飯する。外釜に備える“足”は給排水を行うためのもの

■コンパクトサイズで置き場所に困らない

コイズミ
「ライスクッカーミニ」(実勢価格:5400円前後)

1〜2人分にちょうどいい、最大1.5合炊きの小型炊飯器。1合分のご飯なら約20分で炊けるので、忙しい時でも安心だ。最大3時間の保温や12時間前の予約炊飯も可能。

●炊飯容量:0~1.5合
●定格消費電力(炊飯時):約210W
●サイズ:W15.5×H19×D18.5cm
●重量:6.9kg

キッチンで置き場所を取らないのはもちろん、使っていない時は食器棚などにも収納できる、コンパクトサイズが特徴。 ひとり分の0.5合なら最短約15分で炊けるのも魅力だ。最大容量の1.5合の炊飯時間は約25分。ただし、この時間はほぼ吸水時間を取っていない。

そのため、より美味しく炊くには、お米に水分を十分に浸透させられる予約炊飯がお勧めだ。なお、ごはん以外にもトマト煮やカレー、パイナップルケーキといった、おかずやデザートの調理にも対応。レシピブックも付いてくる。ちなみにカラーは、ホワイトだけでなくブラウンも選べる。

▲「炊飯」「予約」「保温」「取消」といった4つのボタンを本体正面に配置。 タイマー機能を備え、最長12時間後までの炊飯予約を行える

▲内釜や内蓋はもちろん、内蓋のパッキンや外蓋上部の蒸気口まで取り外し可能。いずれも丸洗いして清潔に保てる。手入れしやすいのもポイント

 

<細かいニーズに対応する個性派炊飯器もチェック!>

■レンジ加熱と保温のみで炊きたてごはんの出来上がり

サーモス
「ごはんが炊ける弁当箱」(実勢価格:4300円前後)

ご飯が炊ける“弁当箱”。お米と水を容器に入れた後、レンジで8分加熱して30分保温すれば、ごはんが出来上がる。弁当用だけでなく、少量でいいから毎朝炊きたてを食べたい人にも向く。

■低糖質&低カロリーな “とらひめ”専用の調理器

タイガー
「とらひめ調理器 JPE-A10Z」(5万1840円)

タイガーが独自開発した米粒状加工食品「とらひめ」が炊ける。同食品は白米に比べて糖質は約47%、カロリーは約 50%オフなのでダイエットに最適だ。通常のごはんも炊ける。

 

本記事の内容はGoodsPress7月号24-25ページに掲載されています

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(取材・文/コヤマタカヒロ 写真/園田昭彦)

コヤマタカヒロ/デジタル&家電ライター

 

デジタル機器から白物家電まで、電気とデータの流れる製品を中心に執筆活動を展開。実際に使ってみて試すのがモットーだ。3女の父で米食味鑑定士の資格も所有。

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