■“体を動かす”本格的なVR体験を気軽に味わえる!
レノボ
「Lenovo Mirage Solo with Daydream」(実勢価格:5万5200円前後)
GoogleのVR専門プラットフォームに対応し、250タイトル以上のコンテンツを楽しめる。 CPUはクアルコム製の高性能プロセッサーで快適なゲーム体験を味わえるのも魅力だ。
●電源:内蔵バッテリー(4000mAh /約3時間使用可能)
●ディスプレイ:5.5型IPSパネル(2560× 1440ドット)
●サイズ:W204.01×H179.86×D269.5mm
●重さ:約645g
一体型VRのMirage Soloは接続の手間もなければ、外部センサーの設置も不要。「Oculus Go」と同じジャンルではあるが、その違いは大きい。「Mirage Solo」の場合、Googleの “Daydream”というプラットフォームに対応している。周囲を見回せるだけでなく、前面に配置している2基のカメラによって装着したまま実際に体を動かせる点が最大の特徴だ。
あまり大きな動きには非対応で、あくまでも限定的ではあるものの、「Oculus Rift」や「HTC Vive」のようにハイエンドなVRヘッドセットと同様の体験が可能。未来を感じられるデバイスと言える。お勧めなのは「YouTube」や「Netflix」などの動画アプリ。膨大なコンテンツの中から好きな映像をVRのプライベートな大画面で楽しめる。また「ModernArchery VR」や「STYLY」といった体を動かせることを生かしたアプリも、「Mirage Solo」のメリットを実感するのはうってつけだ。
ちなみに、「Mirage Solo」と同時に発売された同社製の180度カメラ「Mirage Camera」も一緒に使うと面白い。「Mirage Camera」は、前方180度を2基のレンズで “ステレオ撮影”し、視差のある映像や写真を記録。共有サイトにアップ後、それらの奥行き感を「Mirage Solo」で楽しめるのだ。コンテンツを撮るところから考えられた「Mirage Solo」は、現段階において、VRを個人レベルで気軽に楽しめる機器の決定的な存在と言えよう。
▼同社製の二眼カメラでVR映像が撮れる!
ヘッドセットと同時に発表された「Lenovo Mirage Camera with Daydream」(3万8600円前後)。日常風景などをVRコンテンツとして残せる。撮影に便利な手ブレ補正機能付き。
■VR空間内で気軽に話す新しいコミュニケーションを満喫!
Oculus
「Oculus Go」(32GB:2万3800円/64GB:2万9800円)
ライトグレーで統一されているのが、デザイン的な特徴。度付きレンズが別売りで用意されており“メガネ族”でも裸眼で楽しめるのがうれしい。記憶容量が異なる2モデル展開。
●電源:内蔵バッテリー(容量非公表/動画視聴で約2.5時間使用可能)
●ディスプレイ:5.5型液晶パネル(2560×1440ドット)
●サイズ:W190×H115×D105mm
●重さ:約468g
「Mirage Solo」と同じく5月に発売された一体型のVRヘッドセット。「Mirage Solo」のようには動き回れず、頭を回せるのみだが、低価格と手軽さのメリットは絶大だ。ストレージにもよるが、日本でも2万3800円から入手できる。ほかのVRヘッドセットと比べても非常に安価な上、これまでVR業界を引っ張ってきたOculus社製ということもあり、見え方などの性能はそれなりに良い。
スピーカーも内蔵し、ヘッドホンは不要。スマホと連携して行うセットアップも手間取らない。VRの入門機として、これ1台を持っておけば十分というレベルだ。「VRの良さを知れる」アプリが充実する点も、入門機にふさわしい。中でもお勧めなのが「Netflix」と、「Oculus Go」に標準搭載されている「ブラウザ」だ。いずれも寝転びながら大画面で鑑賞/閲覧できる。その迫力は想像以上で、まるでホームシアターを見ているかのようだ!
一度ハマるとPCやスマホに戻れなくなることは間違いない。もうひとつお勧めなのは「Rooms」というアプリ。Facebookの友達で「Ouclus Go」を持っている人と、VR内の部屋(仮想空間)で “会える”。写真を見たりミニゲームをしたり、もちろん話だけしてダラダラしたりもできる。シンプルなアバターを用いて、あたかも一緒にいる感覚を味わえるのが不思議なところ。VRで会う面白さを簡単に楽しめる「Oculus Go」は、新しいコミュニケーションツールとしても注目なのだ。
■異世界に飛んだかのよう!ハイエンド機ならではの圧倒的没入感に心酔
HTC
「VIVE PRO」(アップグレードキット:10万1520円/フルセット:17万5910円)
未来を感じさせるディープブルーのカラーが目を引く本機は、PCと接続するのが前提。フルセット版にはヘ ッドセットのリニューアルに合わせて装いも新たになったVIVEコントローラー2台などが付属する。
●電源:PCからの給電
●ディスプレイ:デュアルAMOLED 3.5型(2880×1600ドット/両目合計)
●サイズ:非公開
●重さ:非公開
3×4mの範囲内において手や体を自由に動かせるPC向けのVRヘッドセット「HTC VIVE」は、これまでにアーケードや産業用などの分野で高い評価を得てきた。そんな同機の上位モデル「VIVE PRO」はHTC VIVEの性能をさらに向上。解像度は両眼で2Kから3Kに、ピクセル数は1.78倍になっている。よりきめ細やかでクリアな見え方だ。
また、映像面だけでなくサウンド機能の進化。立体音響にも対応したリッチなヘッドホンが一体になった。徹底的に考え抜かれたエルゴノミクス設計により、長時間の装着しても疲れにくい。なお、「VIVE PRO」は既存ユ ーザーと新規ユーザーに向けた2種類を提供している。後者のフルセット版はセンサー類の性能も向上した第2世代モデルとなり、部屋のコーナーなどに置く外部センサーの数を増やせば、最大で10×10mの範囲を動き回れるようになる。値段も上位モデル相応で、プロシューマー向けのモデルと言えよう。
こうした「VIVE PRO」では、HTC VIVE向けの膨大なコンテンツを体験可能。解像度の高さと音質の良さを最大限引き出せるタイトルとして、シューティングゲーム「Rez Infinite」を挙げたい。VR向けに作られた「Area X」というステージでは、圧倒的に美麗なパーティクルが舞う空間を浮遊し、視覚と聴覚が混じり合う体験が可能だ。まるで遠いところへ行ったかのような、これまでにないVRならではの感覚を味わえる。
本記事の内容はGoodsPress7月号44-45ページに掲載されています
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(文/久保田 瞬(Mogura VR) 写真/下城英悟)
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