■ホンダ シビック(1972年~)
「世界に通用するベーシックカー」として1972年に誕生したシビック。過密化する都市でも扱いやすいサイズと、大人4人が余裕をもって乗れる室内。初代シビックは世界中で大ヒットします。そしてシビックの名を轟かせたのは、環境性能です。
1970年に改正されたアメリカの大気浄化法(マスキー法)。この法律に対応するクルマを出すのは不可能とまで言われ、多くの自動車メーカーは悲鳴を上げました。しかしホンダは希薄燃焼を実現したCVCCエンジンを開発。これが初搭載された初代シビックで、世界で初めてマスキー法をクリアしたクルマという栄誉を受けました。
&GP読者だと、シビックと聞いて思い出すのは1983年にデビューした3代目“ワンダーシビック”ではないでしょうか。ホンダのMM思想(マン・マキシマム・メカ・ミニマム)に基づいて設計されたワンダーシビックは、コンパクトなのに驚くほど広い室内空間を実現。1.6Lエンジンを搭載したSiはスポーティな走りが評価されて若者を中心に高い人気を誇りました。また、5ドアのシャトルもアウトドアを楽しむ人から支持されました。
続く4代目“グランドシビック”、5代目“スポーツシビック”もヒットモデルに。“ミラクルシビック”と呼ばれた6代目からは走りの性能を極限まで高めたレーシング仕様『タイプR』も設定されます。
シビックの3ドアハッチバックは免許取りたての若者から走り屋まで多くの人に選ばれてきました。しかしだんだんと人気が低下し、また、下位クラスのフィットとのバッティングも起こっていました。そのため、2005年に登場した8代目は、セダンのみの展開となります。そしてプリウスの対抗馬となるハイブリッドも用意されました。しかし人気は振るわず、この代で日本での発売が終了します。
日本での発売終了後も海外では製造されていたシビック。2015年には10代目シビックがデビューしました。2017年1月、ホンダは東京オートサロンでハッチバック、セダン、タイプRのプロトタイプを公開します。これはシビックが約7年ぶりに日本市場に帰ってくることを意味しました。そして2017年9月、10代目シビックハッチバック、セダン、タイプRが発売となりまました。