<冷蔵庫編>
■保鮮機能の充実度かIoT技術に期待するか
冷蔵庫に関してトレンドを牽引するのが三菱。最新モデルでは野菜室に陽の光を再現する3色LEDを搭載。光を照射して野菜の光合成を促すというものだ。ほかにこれまでも解凍しなくても調理し始められる「切れちゃう冷凍」や、自動製氷機でミネラルウォーターを使えるようにしたのも同社だった。
「冷蔵庫の技術力が高い上に、使い勝手がいい。例えばドアポケットなどの細かいパーツまでキッチリと作っています。その分、価格は高めですが、製品精度は一番良いです」
そんな三菱が「野菜工場的な発想」で3色を搭載したのに対し、日立はプラチナ触媒で食品の鮮度を保つ真空チルド室と新鮮スリープ野菜室を搭載。組み込んだ触媒が炭酸ガスを発生させる。この炭酸ガスが食品の酸化を抑えて、買ってきた時の美味しさをそのままに長期保存を可能にするという。
「3色LEDで “成長させる” 三菱に対し、“成長を止める” のが日立。だから新鮮 “スリープ” 野菜室なんですね」
一方でパナソニックもチルド室を強化するなど、機能的に充実してきている。
「約-3度の微凍結パーシャルは冷凍よりも鮮度を劣化させず、冷蔵よりも長持ちさせるというもの。食品を1週間保存でき、共働き世帯などで作り置きしておくのに便利。ほかに冷凍室などガバッと開いて使いやすいのもいいですね」
また注目なのが、冷蔵庫にもAIoT技術を搭載してきたシャープの冷蔵庫だ。
「AIやIoTと言っても、正直、今は即戦力とは言えません。ただ、冷蔵庫って10年以上は使うもの。その間の技術進歩で、外出先から庫内に何が入っているか分かるようになるかもしれません。そうした期待でワクワクできるのがIoT機能を搭載した冷蔵庫です」
▼真空のチルド室で肉や魚の酸化を抑制!
日立アプライアンス
「真空チルド R-HW60J」(実勢価格:27万5000円前後)
-1℃~1℃に切替可能なチルド室を真空構造とし食材の酸化を抑制。さらに同室と野菜室は、炭酸ガスを生成し鮮度と美味しさを長持ちさせる。冷蔵室を約2℃に保ち、湿度低下を抑える「うるおい低温冷蔵」機能を搭載。
●定格内容積:602ℓ
●年間消費電力量:259kWh/年
●サイズ:W685×H1833×D738mm
▼3色LEDの光の力で入れた時よりも野菜を新鮮に!
三菱電機
「置けるスマート大容量MR-WX52C」(実勢価格:21万1000円前後)
LED照射で野菜の光合成を促し野菜のビタミンCを増やす「クリーン朝どれ野菜室」、解凍せずにすぐ調理できる「切れちゃう瞬冷凍」などの保鮮機能を搭載。自動で家庭ごとの使い方を学習し、節電してくれる機能も◎。
●定格内容積:517ℓ
●年間消費電力量:250kWh/年
●サイズ:W650×H1821×D699mm
▼冷凍室の大きさに注目!食材をドサッと入れられる
シャープ
「メガフリーザー SJ-GX55D」(実勢価格:22万7000円前後)
容量189ℓの冷凍室「メガフリーザー」を搭載。雪の下に野菜を貯蔵するのと同様の環境を野菜室に再現。野菜のみずみずしさと甘さを引き出す。クラウドサービス「COCORO KITCHEN」は音声や画面で、献立の提案や食材の保存方法を教えてくれる。
●定格内容積:551ℓ
●年間消費電力量:255kWh/年
●サイズ:W685×H1833×D745mm
▼食材の美味しさを一週間そのままに!
パナソニック
「パーシャル搭載冷蔵庫NR-F604WPX」(実勢価格:37万1000円前後)
-3℃の微凍結パーシャルや、適切な湿度を保ってくれる野菜室などを搭載。食材の美味しさを1週間持続させる。菌繁殖の抑制や脱臭効果のある「ナノイー X」を全室に行き渡らせ、清潔な空間で食材を保存できる。
●定格内容積:600ℓ
●年間消費電力量:283kWh/年
●サイズ:W685×H1828×D745mm
インテリア&家電コーディネーター_戸井田園子さん
消費者目線で家電を見極める。雑誌やWeb、テレビなど媒体を問わず活躍中。「最新家電を上手に使えば、家事と仕事の両立はもっとラクになりますよ」。AllAboutの家電ガイドを務めている。
本記事の内容はGoodsPress7月号32-33ページに掲載されています
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(取材・文/河原塚英信)