<手軽なロボット掃除機を賢く選ぶコツ>
用途や部屋の広さを重視して選択
シンプルなモデルは上位モデルより機能が限られ、吸引力などの性能もやや劣るので、割り切った使い方が大切。どの程度の広さを掃除させたいのか、いつ使うのかなど、用途を具体的に思い浮かべながらモデルを選ぶべきだ。他の掃除機との併用も必須だろう。
■ロボット掃除機が動きやすい環境を
すでに多くの家庭に広まりつつあるロボット掃除機を、我が家にも導入したいと考えている人も多いだろう。しかし、高性能なモデルは10万円以上するものもあり、簡単には手が出ない。一方で、最近は1万円前後で購入できる海外メーカー製品も増えてきて、初めての1台を探している人にとっては選択が悩ましいところだ。
そんな中で注目したいのが、実勢価格が5万円程度までで購入できるモデルだ。大手メーカーのスタンダードクラスなどがこの価格帯に位置し、数は少ないが実用的なモデルもある。これらの特徴を家電+ライフスタイルプロデューサーの神原サリーさんは次のように説明する。
「この価格帯のモデルは、大半が上位機では定番になっているスマホでの操作や掃除エリア設定などに対応していません。また、充電池やセンサーの性能なども上位機には劣ります。ただ、基本的な掃除機能はしっかり備えています。シンプルに『リビングなどの床掃除を任せたい』というニーズには十分対応できるでしょう」
特に人気シリーズの場合は、上位機譲りの掃除機能や本体構造を採用するモデルもあり、掃除能力は信頼できる。とはいえ、低価格モデルなりの使い方も考慮する必要はありそうだ。
「センサー性能の違いで、部屋全体の掃除に時間がかかったり、家具の下などをうまく掃除できてなかったりする場合もあります。できるだけ床に物を置かず、動きやすい環境を作っておくべきでしょう。また、広い部屋や複数の部屋の掃除に向かないモデルもあります。『リビングだけは任せる』といった割り切った使い方も大切ですね」
シンプルな使い方で割り切れば、機能は十分。最初の1台として選ぶ価値はあるだろう。
家電+ライフスタイルプロデューサー・神原サリーさん
新聞社勤務、フリーライターを経て、顧客視点アドバイザー&家電コンシェルジュとして独立。「企業の思いを生活者に伝え、生活者の願いを企業に伝える」べく、家電分野を中心に幅広い媒体での執筆や商品企画等を手がけている。
本記事の内容はGoodsPress8.9月合併号22-24ページに掲載されています
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