■FIAT 500 & 500C「Gialla」
500と500Cに設定された、シチリアレモンをイメージした鮮やかなイエローが眩しいGialla(ジャッラ)。ベースは1.2POPになります。夏を感じる色づかいなので、できればオープンモデルの500Cを選びたいところ。500、500Cどちらも限定車の中では流通台数は多めです。
■FIAT 500「Vintage」
ツインエアをベースにNUOVA500へのオマージュモデルとして企画された限定車がこのVintage(ヴィンテージ)。淡いブルーはNUOVA500に設定されていたもので、ホワイトルーフとのコンビが絶妙。インテリアにはイタリアのラグジュアリー家具ブランドであるポルトローナ・フラウによる専用レザーシート(ブラウンレザー/アイボリー)が採用されています。
そして特筆すべきはホイール。専用アロイホイールのセンターにはNUOVA500時代のFIATのエンブレムが施されているのです。こういう部分にフィアットのこだわりを感じますね。Vintageは限定モデルの中でも人気が高く中古車価格は高めで推移していますが、往年の500が好きな人にはたまらない存在でしょう。
■FIAT 500「Corallo」
後期型の1.2ラウンジをベースにした限定車がCorallo(コラーロ)。ボディカラーはサンゴをイメージしたコーラルレッド。この色はインテリアにも施されています。実は後期型では、バイキセノンヘッドライトやフルオートエアコンが奢られるこの「ラウンジ」の設定はツインエアにしかありません。ということは、1.2ラウンジはこの限定車のために用意されたスペシャルグレード。それだけでも特別感がありますね。
■FIAT 500「Genio」
日本・イタリア国交150周年を記念して、FCAのデザイン部門「チェントロスティーレ」が、ツインエアラウンジをベースに日本のためだけにデザインしたのがこのGenio(ジェニオ)です。落ち着いた雰囲気のグレーメタリックのボディカラーが採用され、インテリアはベース車とは異なるブラック仕様に。シートはポルトローナ・フラウ製の専用レザーシートが組み込まれています。そしてダッシュボード、Bピラー、キーケースにはデザイナーのラフスケッチをプリント。
さらにホイールのセンターキャップには「3.14159265358979……」と円周率が施されています。車名のGenioはイタリア語で「天才」という意味。アヴァンギャルドなデザインにピッタリのネーミングですね。
■FIAT 500「Pura」
2018年2月に登場したPura(プーラ)は、コラーロと同様に、カタログモデルには設定のない1.2ラウンジをベースに現行型フィアット500で世界初となるアイボリーのボディカラーを採用。落ち着いた雰囲気の中に華やかな印象があるモデルとなっています。シート地にはグレーのチェック柄を採用。シックでオシャレな雰囲気なので、大人の女性に似合いそうです。
■中古車で限定モデルを探すときは
フィアット500は1.2Lと1.4Lの4気筒モデルと2気筒のツインエアモデルでは乗り味がかなり異なります。4気筒モデルは良くも悪くも普通のクルマとして楽に乗れます。一方のツインエアは、トコトコ走る独特の乗り味で好みが分かれるところ。できれば購入前に試乗しておくことをオススメします。
今回紹介した限定モデルはどれも極端に流通台数が少ないので、住まいの近所でタイミングよく中古車が見つかるとは限りません。「絶対これが欲しい!」という限定車がある人は、遠方のお店で購入し、陸送などで納車することも頭に入れておいたほうがいいでしょう(諸費用で陸送費が必要になります)。
また、それほど古いモデルではないものの、やはりイタリア車の整備に慣れたところで面倒を見てもらったほうが安心。購入時にはメンテナンスを依頼できる場所を探しておくか、購入するお店で住まいの近くにある工場を紹介してもらえるかを相談してみましょう。
フィアット500のツインエアがタイミングチェーンなのに対し、4気筒モデルはタイミングベルトになります。国産車だとタイミングベルトの交換は10年10万kmが目安と言われていますが、イタリア車の場合は4万~6万kmでの交換を勧められることが多いです。見つけた中古車の走行距離が交換時期前後だったら、購入前にタイベルが交換されているかを確認しておきたいですね。もし長く乗るつもりなら、納車時に交換を依頼するのもアリだと思います。
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(文/高橋 満<ブリッジマン>)