「It's a Sony」がいま再び面白い!【ニッポン発の傑作モノ】

■1970年代後半から革新的製品が続々と誕生

ソニーをテーマにした数々の著作を上梓している西田さん。初めてソニー製品に触れたのは1980年代に遡る。
「兄のウォークマンに触れたのが最初のソニー体験。中学時代には、自分でハンディカムを買い、友人と一緒に何本か映画を作りました。この2機種が、ソニーを意識した原体験ですね」

大学時代からPC雑誌における取材記者の仕事を始めると、ジャーナリストの視点で、西田さんとソニーの新しい付き合いがスタートを切る。記者として誕生に立ち会った、初代プレイステーション(PS)とVAIOは、今も強烈な印象とともに記憶に刻まれるという。

「特にPSは、ハードの進化に掛かる3、4年の時間をスッ飛ばしてしまったことに、大変驚いたのを覚えています。数十万円もするPCでしか表現できなかったCGを、3〜4万円のハードで実現したのですから」

ハイスペックな体験を手の届きやすい価格帯の製品で楽しませる…。そんなモノづくりこそが “ソニーらしさのひとつ” だと西田さんは分析している。
「“上から下を見る”という感じですね。普及価格帯の製品に機能を付加する“下から上を見る”発想ではないんです」だからこそ、これまでのエポックな製品に対し、多くの人が憧れを抱き、購入意欲を強く刺激されてきたのだろう。

「VAIOに関しては、開発に悪戦苦闘しながらも“今までと違うモデルを、今までの技術で作ろう”という強い熱意が、開発陣にあふれていましたね。PSとはちょっと異なるソニーDNAを感じたように思います」

▼“音楽を楽しむ”常識を変えた!

1979年
ソニー
「ニーウォークマンTPS-L2」

モノラルカセットレコーダーの再生回路をステレオ化するなどして完成した、ウォークマンの元祖。デニムのような青いボディは、当時加速していたファッションのカジュアル化を意識したもの。

2018年
ソニー
「ウォークマン NW-ZX300G」(実勢価格:8万円前後)

“MQA”や“APE”といったファイルフォーマットに対応する最新ウォークマン。内蔵メモリの音楽はもちろん、DAC機能によってUSBケーブルで接続したPC側の音源も高音質で楽しめる。

▼“思い出を残す”常識を変えた!

1985年
ソニー
「ハンディカム CCD-M8」

当時としては世界最軽量の約1kgを下回った、カメラ一体型録画専用の初代ハンディカム。片方の手で簡単に操作できるなど、写真を撮るカメラのように扱えるのが画期的だった。

2018年
ソニー
「ハンディカムFDR-AX60」(実勢価格:11万4200円前後)

4K対応の最新ハンディカム。液晶パネルを視認しにくい環境下での撮影をサポートするビューファインダーを搭載。目当ての被写体にズームして再生できる便利な機能も備える。

▼PCを持ち運ぶ”常識を変えた!

1997年
ソニー
「VAIO NOTE 505 PCG-505」

薄型ボディで可搬性に優れる名機“505”。紫に彩られたマグネシウム製ボディは、鮮烈なインパクトを与えた。屋外に持ち運び、カフェなどで“ドヤ顔”で使うPCの元祖と言えよう。

2018年
VAIO
「VAIO S11|RED EDITION」(21万2544円~)

第8世代のIntel Core i7プロセッサーを搭載するほか、独自のチューニング “VAIO TruePerformance”を適用。メモリー転送速度もアップしている、特別バージョンだ。数量限定品。

 

【次ページ】"関係性"を重視する製品作りへ

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