デジタル&生活家電の達人が振り返る!2018年の傑作品と注目トピックス

■スマート化&AIがあらゆる分野に進出し始める

西田宗千佳(以下西田):今年話題になったのはやはりスマートスピーカーですね。家庭への浸透度は疑問ですが派生サービスや関連機器が多く登場しました。それとスマートフォンが意外と豊作だったと思います。一見すると大きな変化はないようですが、カメラが劇的に進化していますね。構えてシャッ夕ーを押せば、誰でも失敗せずにきれいな写真を撮れる時代になってきたと思います。

神原サリー(以下神原):そんなに便利になっているんですか?

西田:AIが進化していて、シーンやユーザーの傾向を判別し、被写体に最適な感度とシャッタースピードを自動で設定してくれるんです。料理を撮るにしても、画像を判別してその料理に合った色合いに設定してくれるようになります。特に優秀だったのが、アップルの「iPhone XS」とGoogleの「Pixel 3」ですね。カメラの基本性能は大きく変わりないのですが、撮影した写真の出来が明らかに違います。

神原:写真がきれいに撮れると聞いていましたが、そんな仕組みになっていたんですね。

西田:「Pixel 3」は画像認識を使った検索機能も便利です。文字も認識して翻訳もできるので、もはや新しい情報ツールだと思います。スマートスピーカーも同様で、我々が見たもの、聞いている音をAIが判別して生活を便利にしてくれる時代がもう訪れています。

▼カメラ機能の進化でスマホの使い方が変わる

Alを採用したスマホが増加し、誰でも簡単に最適な設定で写真が撮れるようになった。「iPhone XS」や「Google Pixel 3」はその代表モデル。「Google Pixel 3」は画像認識を用いた検索機能も提案している。

▲「iPhone XS」

▲「Google Pixel 3」 画像提供:Google

 

■エントリーモデルの家電こそ音声対応にするべき

神原:私も春にスマートスピーカーを導入したんですが、個人的には音声でキッチンタイマーをセットできるのが便利だと思いました。そんな機能は使うと思ってなかったんですが(苦笑)。でも女性にこれを話すとけっこう好評なんです。

西田:確かに家事に役立つちょっとした機能が音声操作できるだけでも、十分に便利さを実感できますよね。

神原:先日アイリスオーヤマがスマートスピーカー対応のLED照明を発表したんですが、けっこう簡単に使えて柔軟に調光・調色できるんです。しかも低価格のLED電球でも対応しているんですよ。今まで日本メーカーのスマートスピーカー対応家電は、複雑な機能も操作できるけど、高価な上位モデルでしか使えないことが多かったので。その辺はシンプルな機能でいいから、エントリーモデルも対応させて欲しいですよね。

西田:シンプルに使えることが意外と重要なんですよね。Amazonが発表したAlexa対応の電子レンジも、基本機能はすごくシンプル。それで十分な製品もあるんですよね。

▼スマートスピーカーが生活のハブになる

スマートスピーカーが普及し始め、対応する家電も増加。まだ使いやすさの面では製品によって差があるが、この流れは家庭のあらゆる場所に広まりそう。今後は機能進化やアップデートによって、操作性がこなれてくることが期待される。

 

▼スマート家電はシンプル操作が鍵になる

スマート家電の利便性は、複雑な機能ではなく、電源のオン・オフや明るさ・温度調節など、基本機能でこそ実感できるという意見が目立つ。 アイリスオーヤマのLED照明のように手頃なモデルへの対応も普及のカギか。

▲アイリスオーヤマのLED照明

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