■スズキ ジムニー/ジムニーシエラ
2018年、もっとも話題になったクルマと言えばジムニーでしょう。伝統であるラダーフレームとパートタイム4WDを中心としたプラットフォームを継承。もちろんその真価を発揮するのはオフロードです。しかし新型に試乗して驚いたのはオンロード性能の高さでした。
1995年からジムニーはオフロード性能を保持したままオンロード性能を高めることに力を注いできましたが、オンロードの良さはあくまで前モデルと比較してのこと。
しかし新型は強靭なラダーフレームとそこにつくサスペンションがしっかり振動をいなし、オンロードでも滑らかに走ることができます。街でよく見るハッチバックより乗り味は格段に上で、とくに高速道路での速度域でも心地良く走れることには驚きました。基本は街乗りや旅行、たまに未舗装路も走ってみたいという人も、納得できる仕上がりです。
■スバル フォレスター
2016年にデビューしたインプレッサスポーツ/G4から採用されるスバルグローバルプラットフォーム(SGP)。フォレスターはSGPを採用した第3弾モデルです。
SGP採用モデルに乗って驚くのは、すべての動きが自然でスムーズに運転できること。街中や高速道路、ワインディングなど、あらゆる道で自分の思った通りに走ってくれるから、余計な気遣いを必要とせず疲れにくい。スバル伝統の水平対向エンジン+シンメトリカルAWDとの相性も抜群です。
フォレスターはSGP採用により後席が広くなり、荷室も使いやすくなるなど、機能面でも進化しています。マイルドハイブリッド搭載のe-BOXERに注目が集まりますが、2.5Lエンジンもおすすめです。
■ボルボ XC40
2017-2018のXC60に続き、2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したXC40。新世代のコンパクト・モジュラー・アーキテクチャ(CMA)プラットフォームを初採用したXC40は、走り出した瞬間から伝わってくるしっとり感に驚きます。
ボルボは2019年から全モデルで電動化を進め、2021年までに5車種の電気自動車を発売することを公表しています。XC90やXC60に採用されるプラットフォーム「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA)」同様、CMAもその戦略に対応するプラットフォームで、重いバッテリーを搭載でき、万が一衝突事故が発生したときも乗員はもちろんバッテリーも保護できる強度をもっています。
XC40の上質でしっとりした乗り味はまさにその剛性感がもたらすもの。ぜひ試乗などでしなやかな乗り味を味わってほしい1台です。
■フォルクスワーゲン ポロ
現在多くの自動車メーカーが推進する新プラットフォーム戦略。その先駆けとも言えるのが2012年に発表されたフォルクスワーゲンのMQBでした。一般的にプラットフォームは同じくらいのサイズの車種で共用されますが、MQBは車格を超えて共用できる画期的なもので、ゴルフ、パサート、アウディTTなどさまざまな車種で採用されています。
新型ポロにもMQBが採用されています。コンパクトながら身長188cmの筆者でも心地良いドライビングポジションがとれ、クルマを自然に操作できる(これもプラットフォームの恩恵です)。もちろん背が低い人も運転しやすいドラポジがとれます。
筆者は一般道を中心に試乗しましたが、少し荒れた道を走ってもバイブレーションをキレイに吸収してくれるのが印象的でした。もちろん搭載される1L TSIエンジンは街乗りで心地良く、信号待ちからのスタートなど一気に加速したいシーンで力強さを感じさせてくれます。発表から6年経ったプラットフォームの熟成を感じる1台です。
■トヨタ クラウン
アスリート、ロイヤル、マジェスタを1系統に統合。そしてさまざまなコネクティッドサービスでユーザーをもてなすクラウン。これらは平均年齢が上がったユーザーの若返りを図るためと言われています。しかし若返りを目指すクラウンの真骨頂はやはり走りにありました。
現行型プリウスから始まったトヨタの車両開発方針、TNGA。TNGAを取り入れたモデルはC-HR、カムリと、登場するたびに走りが良くなっているのを感じます。クラウンはレクサスのLS/LCとプラットフォームを共用。ただ、全幅は1800mmに抑えられ、全長も275mmも短くなります。このサイズ感が日本の道で運転しやすい。
パワートレーンは3.5Lガソリン、ハイブリッド、2.5Lガソリン、2Lターボの4種類。王道の選択はハイブリッドになりますが、2Lターボの走りがとてもスポーティ! &GP読者にぜひ注目してほしいグレードです。
>> [特集]2018年まとめ
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(文/高橋 満<ブリッジマン>)
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