■家にいながらキャンプの雰囲気が味わえるというのが魅力
3年前から住んでいるという1LDKのアパートの一室。そこで自身の趣味である、アウトドアとD.I.Yのギア&ツールに囲まれて過ごしているのがこの部屋の主人、可野さん。
「上京してから3軒目の住まいになるんですが、D.I.Y.をするようになったのは、一人暮らしを始めたのと同時にという感じですね。アウトドアに関しては本格的に始めたのが2年前。最近はソレ系のサイトやSNSのアウトドアアカウントをよくチェックしています」
もともと美大出身で、授業でもよく物作りをしていたという可野さん。専攻が空間演出デザインだっただけあり、存在感のあるギア&ツールたちが自然と部屋に馴染み、彼自身のパーソナルを映し出している。
「ハイテクすぎずどこかレトロで “温もり”のあるモノが好きなので、僕のモノ選びの基準はそこにあります。その中でもこのダッヂオーブンやコーヒースタンドのように、食事などの日常生活に直結するものは普段使いも出来るので、インテリアで取り入れても変に浮かばず、説得力が生まれる。今だとカーミットチェアを狙っているんですが、結構イイ値段をするのでコレから徐々に…って感じで」
ややもすれば道具自慢に陥りがちなジャンルだからこそ、そこは無理せず(金銭的にも)マイペースで集めるのが彼のスタンス。ゆえに1つ1つに愛着を持っており、そのどれもが日常生活においても活躍している様子。
「よく友人を招いて今回のようなキャンプ料理を振舞ったりしているのですが、部屋の中にこういったギア&ツールがあることで、家にいながらキャンプという非日常感が味わえるというのも魅力かなって。このストーブのように揺れ動く炎を眺めるのもリラックス効果があるし、これで沸かしたお湯でコーヒーを淹れて飲むと、ちょっとユッタリとした時間が流れるように感じます。男友達は “落ち着くね〜” と言ってくれるんですが、女友達は “モノが多いね” の一言でバッサリ。その先にあるロマンを感じてもらえると嬉しいんですけどね…(苦笑)」
■モノ自体がサマになるギアは敢えて見せる収納を選択
本来は野外で使用すべきアウトドアギア。とはいえデイリーに使える優れた機能性は、インドアにだってマッチする。取り入れる際のポイントは“見せる収納”という選択。さりげなく部屋に溶け込むように置かれたギアが、日々の生活にワクワクを呼び込む。
アウトドアギアをインテリアに取り入れる際のポイントとして、あえて“見せる収納” を挙げた可野さん。
「例えば、ブルーフレームヒーターやランタン、ベンチなんかはただ置いてあるだけで、そのギアライクな佇まいが部屋に僕の好きな “男らしさ” を呼び込んでくれますし、キャンプに出かける際にパッと用意できるというのも強み。まぁ、そもそも片付けるのが面倒くさいというのも、出しっぱなしにしている理由だったりしますが…(笑)。もちろんインテリア的にも映えますが、それ以上に実際に使うのが楽しいんですよね」
そう話しながら取材班に得意のキャンプ料理を振る舞う姿は、実に楽しげだ。また部屋の中を見渡すと、そこかしこに置かれたギア類が、武骨さとリラックス感を生み出す絶好のスパイスとなっているのがよく分かる。
「当たり前ですが、どのアイテムにも共通しているのはキャンプサイトでの使用を前提としてデザインされている点。このベンチなんかも、焚き火に最適なロースタイルかつ折りたたみ可能でコンパクト。なので、通常サイズのチェアなんかとは違って、部屋の中に置いても圧迫感を感じさせないというのがポイントです! 一人暮らしの1LDKにとって、これ以上ないくらい強い味方じゃないですかね」
全体のテイストをまとめることで、ゴチャつきがちな男の一人暮らしが雰囲気の良い空間に変わる。
一人暮らし歴もそれなりだから自炊だってお手の物。時に友人を招きパーティーを催すこともあり、そんな時に活躍するのがアウトドア料理の定番であるダッヂオーブン。というワケでこの日、取材班に振舞ってくれたのはローストチキン。
「チキンを丸ごと一匹用意したら、調味料を外側と内側によく揉み込んで、一口大にカットした野菜と一緒に鍋にポン! あとは火にかけて焼きあがるのを待つだけ」
豪快にして豪勢、まさに男の料理だ。
可野雄太さん
某企業にて社内デザイナーとして勤務する傍ら、個人でもアートディレクターとして活動。趣味はアウトドアを始め、お酒と音楽も大好き。
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(取材・文/ TOMMY 写真/会田秀人)
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