【特集】CRAFTSMANSHIP
日本のレザーブランドの実力を探るべく、服飾評論家 池田哲也さんに話を聞いてきた。欧州と日本の革製品の違いなどを伺いながら、国内の注目レザーブランドを挙げてもらった。紹介するブランドはもちろんMADE IN JAPAN!
■欧州のレザーと肩を並べる日本のレザー
今日に至る革製品の加工・製造技術は、すべて馬具作りから発達したものです。そんな馬具作りからスタートしたエルメスは、名実ともにレザーブランドの頂点。縫製は絶妙な力加減で革にテンションをかけながら行い、ただ丈夫に作るのではなく、力の “逃げ” と “支え” を計算してステッチが入っています。
そして卓越しているのが革の裁断。どの部位をどの向きで、どのパーツに使うかを見極めて切り取っていて、エルメスでは数ある工程を経た、もっとも技術と経験のある熟練職人が最後に担当すると聞いています。
革は食肉文化の副産物。欧州は昔から一頭分の大きな皮革を贅沢に扱っていたので、技術うんぬんではなく、食肉の歴史が浅い日本よりも革の扱いには一日の長があるのです。そんな日本にあって、欧州に肩を並べる数少ないレザーブランドをここに紹介します。
服飾評論家池田哲也さん
三越のローマ支局勤務を経て、服飾評論家に。アメカジからクラシコイタリアまで幅広い知識を持つことで業界内では知られている。また一方で、東京・森下の人気ピザ&イタリア料理店「ベッラ ナポリ」のオーナーシェフという顔も持つ
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