■ミドルレイヤー選びのポイント
(1)保温性と収納力重視ならダウン
(2)コスパとデザイン優先ならフリース
(3)ザックの空き容量も考慮
「ベースレイヤーの上に重ねて着たいのが、保温性を確保するために必要となるミドルレイヤ ー(中間着)です。登山中はもちろん、休憩時や寒くなってきた際に身に着ける保温着となるので、8合目以降からご来光を拝む明け方まで、欠かせないアイテムとなります。
大別すると、種類はダウンとフリースの2種類で、ダウンはより暖かく、軽くてコンパクトに収納できるメリットがありますが、水に濡れると乾きづらく、価格もそれなり。フリースは手頃な価格で水濡れにも強いですが、着ない時にかさばるので、ザックの容量に余裕が必要となります。最近では、ダウンの代わりに化学繊維を使ったモデルも登場していて、第3の選択肢となっています」(銀座好日山荘 ストアマネージャー石坂修さん)
■高地での寒風や夜間の登山に備えるミドルレイヤーは動きやすさと防寒性に着目
【“ダウン”タイプ】
保温性が高く、コンパクトに収納できるのが魅力のダウン。水分に弱いが、表面に撥水加工を施したり、化学繊維で代用したりと、各社が新基軸となる製品をリリース中だ。
▼濡れても安心なダウン風フーディ
パタゴニア
「メンズ・マイクロ・パフ・フーディ」(3万9960円)
ダウンの構造を模倣した化学繊維 “インサレーション” を採用。ダウンのように暖かくてコンパクトに収納できる上、濡れても保温性を確保する軽量フーディだ。表面には、耐久撥水加工が施されていて、風や雪も弾く。重量は264g。全5色
▼抜群の保温力を誇るダウンセーター
ホグロフス
「ミルスボ ダウンプルオーバー」(3万240円)
軽量で耐摩耗性に優れた素材を用いたダウンセーター。表面には耐久撥水加工が施されていて、水分や汚れの侵入を防いでくれる。スタイリッシュなルックスなので、普段使いにも重宝しそうだ。重量135g(Mサイズ)。カラーはブラックのみ。
▼水や汗による濡れに強い新素材を使ったジャケット
ファイントラック
「ポリゴン2UL ジャケット」(2万1384円)
表地には、強度の高いリップストップナイロンを使用。保温素材には独自開発の “ファインポリゴン” を採用した、濡れに強く通気性にも優れたミッドレイヤー。収納時もコンパクトに収まり、重量は200g以下と超軽量だ。
【“フリース” タイプ】
ダウンと比較すると保温力に劣るものの、価格が手頃なフリース。繊維が細くコンパクトに収納できる“マイクロフリース”素材が主流だが、新素材の開発も進み、選択肢は豊富だ。
▼コスパ抜群のマイクロフリース
バーグハウス
「プリズムマイクロポーラーテックジャケット」(7344円)
バーグハウス独自のレイヤーシステム “インターアクティブ機能” に対応したマイクロフリースジャケット。動きやすくてしなやか、軽くて保温性も高いため、登山時のミッドレイヤーとして最適な1枚。重量321g(Mサイズ)。全4色。
▼部位ごとに異なる5つの素材を組み合わせる
ノローナ
「ビティホーン アルファ フーディー シャツ」(3万1320円)
腹、背中、脇下など、体の部位ごとに5種の最適な素材を配置した革新的な1枚。フードにはフェイスマスクを内蔵。メインジッパーはダブルジッパーでベンチレーションとしても機能する。300g。
▼新技術が詰まった限定モデル
フーディニ
「パワーエアーフーディー」(3万240円)
欧州最大のアウトドアトレードショーで発表された限定モデル。ポーラテック社と共同開発された新素材 “ポーラテック パワーエア” は、空気を閉じ込めて暖かさを保つという全く新しい発想から生まれた。重量706g。ブラック。
▼フリースジャケットの定番モデル
ザ・ノース・フェイス
「マウンテンバーサマイクロジャケット」(1万1664円)
軽くて保温性に優れるマイクロフリースを採用したジャケット。ショルダーベルトが当たる肩部に、耐摩耗性に優れたナイロン生地を使用。静電気の発生を抑える。重量280g(Lサイズ)。全5色
▼1900年代のカラーリングがイマドキの気分
マウンテンハードウェア
「マイクロチルジャケット」(1万692円)
マイクロフリース素材を採用したベーシックなフリースジャケット。日本人の体型に合うアジアンフィットなので、余計なだぶつきがなく体温を保つ。右裾にドローコードを装備。重量320g(Mサイズ)。全4色
本記事の内容はGoodsPress7月号38-39ページに掲載されています
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