4つの視点に着目!スーツケースの選び方【特集「富士山とフェスと旅の便利道具」】

■4つの視点に着目!スーツケースの選び方

スーツケースにも流行があると話すのは、プロテカをはじめ数多くのスーツケースを手掛けるエースの南谷さんだ。

「最近は大型も小型も、立てたまま荷物が取り出せる前ポケットの付いたタイプが人気です。以前はソフトケースにしかありませんでしたが、今はハードケースでも増えました」

また一時期、スマートラゲージと呼ばれる通信などができるスーツケースが数多く登場したが、リチウムイオン電池預け入れ不可といった航空会社のルールと合致せず、最近はなかなか普及するほどの勢いはないという。

「スーツケースの購入時に、サイズで迷う人は多いのですが、選ぶポイントはサイズだけではありません。今回の旅行だけでなく、次回以降の旅行なども踏まえた上で、自分の旅行スタイルにはどんなタイプがいいのかを判断し、またできれば小さいサイズと大きいサイズの2つ用意するのがベストだと思います」

1. サイズ

スーツケース売り場に行くと、サイズの目安として「◯泊用」と書かれているが、大まかに分けると2つと考えるべき。それが、機内持ち込みサイズか否か、だ。

機内持ち込みサイズとは、預け入れせずに飛行機内に持ち込めるサイズのことを指し、航空会社や飛行機の大きさによって異なるが、大まかに高さ55cm×幅40cm×奥行き25cm以内で3辺の合計が115cm以内であればほとんどの航空会社に対応するはずだ。近年、短距離国際線などで台頭してきたLCC(ローコストキャリア)では、荷物を預ける場合、別料金になることなどから、人気の高いサイズだ。

「1泊程度であれば機内持ち込みサイズでも十分まかなえます。なので、スーツケースを選ぶ際は、機内持ち込みサイズをひとつと、もうひとつは預け入れることを考えて、預け入れできる最大サイズを選べば、どんな旅行にも対応できるはずです。容量は1泊=10リットルを目安にすると分かりやすいですよ」(南谷さん)

▲左から33リットル、45リットル、63リットル、86リットル

 

2. ソフトorハード

外装が布地で作られたものがソフトケース、樹脂やアルミなどで作られたものがハードケースだ。以前は外側にポケットが欲しい場合はソフトケースしか選べなかったが、最近はハードケースでも付いているモデルが増えた。またハードケースは、以前はABS樹脂製が多かったが、より軽量で耐衝撃性に優れるポリカーボネート製が主流となり、素材革新も進んでいる。そのため、近年の人気は圧倒的にハードケースとなっている。

▲左:ソフトケース 右:ハードケース

▲ソフトケースはフタを開けるような形状が多いため、ハードケースと比べて狭いスペースでも開きやすいという利点がある

 

3. ファスナーorフレーム

ハードケースの場合、3辺をファスナーで開くタイプか、開口部に金属フレームが付いたタイプの2種類から選ぶことになる。

「フレームタイプのメリットは密閉性が高いことです。そのため安全性も高い。またファスナータイプのように3辺を全開にしなくても手元のロックを開けるだけなので、ラクですね。一方、ファスナータイプのメリットは軽さ。荷物をパンパンに詰めても多少の融通が効くこともメリットです。フレームタイプは構造上、どうしても価格は高めです」(南谷さん)

▲左がフレームタイプで右がファスナータイプ。持ち上げた時や動かしている時の安定感、安心感は圧倒的にフレームタイプの方が高い

 

4. 単輪or双輪

近年は傾けなくても動かせる4輪キャスターが人気だが、見るべきポイントは4輪か2輪かだけではない。

「ひとつのキャスターが、双輪か単輪かにも注目してください。双輪は、耐荷重が分散されるため安定感があります。ただし構造上、高さが出るので、荷室の容量が減ってしまいます。一方の単輪は、走行時の安定性が高く、強度もあります。また衝撃にも強い。ただし、石畳などですき間にハマるといったデメリットも」(南谷さん)

▲左が双輪タイプで右が単輪タイプ。接地面積は当然ながら双輪タイプの方が大きいため、単輪タイプの方が動きはスムーズだ

 

>> 特集「富士山とフェスと旅の便利道具」

本記事の内容はGoodsPress7月号86-87ページに掲載されています

 


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(取材・文/樋口拓也 写真/園田昭彦<カタログ>、湯浅立志<取材>)

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