■ボディの赤はトライ&エラーを重ねて誕生
超合金の質感と精密な造形などが特徴の彩色済完成品シリーズ「GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITE」。開発者の前田さんは、バンダイが今まで培ってきた超合金に代表されるダイキャスト技術を生かしたブランドだと話す。
「メカニカルデザイナー、カトキハジメさんのプロデュースにより、モールドのバランス、スパイクの丸み、面構成、さらには立体感のある陰影に至るまで、徹底的にこだわって立体化しています」
カトキ氏は歴代ガンダム作品や『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』でメカニカルデザインを担当。製品化は必然の流れでもあった。
「実はザクの完成品モデルは数あれど、18cmサイズはほとんどないんです。カトキさんといつかは…と常々話していたのでTVアニメシリーズ化はとてもうれしい話でした」
劇中ではCGの演出が印象的だが、モデリングデータは同商品の開発には使われていないとか。
「カトキさんの脳内イメージをいかに再現するかが命題でした。可動に関してもカトキさんがすでに設定として考えられていたものに加え、以前リリースしたアクションフィギュアの『ROBOT魂 ver.A.N.I.M.E.』版のザクも、参考にしています」
全塗装を施した表面仕上げも、大きな魅力になっている。
「ボディの赤は、何度もトライ&エラーを重ねながら、カトキさんが思い描く色にしました。胸部中央や膝にはラバー塗装を施し、ショルダーアーマーをダイキャストパーツ製にするなど “触感” にもこだわっています」
細部も含めて見どころの多い同商品の開発背景には、劇中のシャア専用ザクに対する、前田さんの強い思い入れがあった。
「すごいCG技術とあの動きの速さに感動しました。すべてのシーンをポーズに生かしたいと思ったほどです。プラモや完成品で何度も商品化され、研究されてきたシャア専用ザクですが『THE ORIGIN』版はまさに “究極の深堀り” といえる存在でしょうね」
▼メモリアル作品01:『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』
NHK総合テレビにて放送されたTVシリーズ。総監督の安彦良和氏が手掛けた大ヒットコミックスを映像化したOVA 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の再編集版。“赤い彗星” ことシャア・アズナブルと、妹セイラ・マスの運命を決定づけた悲劇の始まりと過去、そして一年戦争開戦までの歴史がひも解かれる!
■広い可動域で劇中のアクションを再現
BANDAI SPIRITS
「GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITE MS-06S シャア専用ザクII 」(2万1600円)
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』版シャア専用ザクⅡを徹底再現した、塗装済み完成品モデル。メカニックデザイナーのカトキハジメ氏プロデュースにより、細部までこだわった仕様となっている。 全高約180mm。
© 創通・サンライズ
本記事の内容はGoodsPress6月号98-99ページに掲載されています
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(取材・文/桑木貴章<メガロマニア> 写真/下城英悟 インタニア 園田昭彦)
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