■お米のパワーを100%引き出すため “吸水” が大事
「現在の炊飯器は、米を炊く能力はどれも高いですね。ただ、メーカーによってそれぞれ個性と特徴があるんです。ですから、使う人がどんな炊き上がりが好みかによって、選択肢が違ってきます。とは言っても、一般の方は何機種も試すことができませんよね。そこで、どの機種も炊飯によってお米のパワーを100%引き出すためには、研いだ後、炊飯前に必ずお米に “吸水” をさせてあげてください。夏は1時間、冬場は2時間程度が目安です。どのメーカーの取説もこの大事なポイントが書かれていないんです。確かに研いだ後にすぐにスイッチを入れても上手く炊けるんですが、吸水をさせるだけで、どの炊飯器も宣伝文句以上の美味しいご飯を炊くことができます」
■チェックしたのはこの3台
(写真左)
パナソニック
「Wおどり炊き SR-VSX109」(実勢価格:11万円前後)
大火力のパワーと可変圧力の2つのおどり炊きの技で、釜内の対流を変化させながら炊きあげていく。工程の最後は220℃のスチ ームで仕上げ、熱を米の芯までー浸透させて旨味と甘味を封じ込めて、ハリとツヤも与えてくれる。
(写真中央)
象印
「炎舞炊き NW-KB10」(実勢価格:10万前後)
底部に配置された3つのIHヒーターで釜内に複雑な対流を作り出し、米に高温を伝え、ムラをなくしてふっくらと炊き上げる。また、最大121通りの炊き方を選べ、好みの食感に調整して食べられる機能もある。
(写真右)
siroca
「かまどさん電気」(8万6184円)
世界初の全自動炊飯土鍋。伊賀焼の土鍋を電気ヒーターで熱し、遠赤外線効果で鍋全体から熱を通して炊き上げる。日本伝統の料亭や旅館で食べるような仕上がりのご飯を、毎日家庭で楽しめる炊飯器。
■チェック項目
「旨味」「香り」「食感」の3項目を、それぞれ5点満点で、さわけんさんの鋭い嗅覚と味覚、食覚で判断してもらった。「点数はあくまで私の主観です。ご飯は好みの差が大きいものですが、炊飯器選びの参考にしてください」(さわけんさん)
■使用したお米
『金米本舗 特別栽培無洗米 妙高山山麓米』。美味しいと評判の新潟こしひかり。どの炊飯器が、この米の力を最大に引き出してくれるのだろうか。
▼世の中の8割の人が好む炊き上がり
パナソニック
「Wおどり炊き SR-VSX109」
ふつう炊き50分前後 5.5合炊き ダイヤモンド竃釜
【旨味】4点【香り】5点 【食感】3.5点
良く炊けた、お米の良い香りを引き出して食欲を引き立てられます。食感を少し低く評価したのは私の好みの問題で、十分に合格です。
▼粒立ちが良く、ご飯に粘り気があります
象印
「炎舞炊き NW-KB10」
ふつう炊き60分前後、5.5合炊き、豪炎かまど釜
【旨味】4.5点【香り】4点【食感】4点
炊き上がり直後の表面の水気が少し気になります。でも、すぐに蒸気を抜く感じで混ぜると美味しくなります。及第点です
▼お焦げを楽しむのに最適
siroca
「かまどさん電気」
ふつう炊き60分前後、3合炊き、かまどさん土鍋
【旨味】3点 【香り】5点 【食感】4点
お焦げの味と香りは良いのですが、逆にそれがご飯独特の香りを覆っています。炊き上がった後、よく蒸らして食べると美味しいですね。
■美味しいご飯を炊くコツは3合炊くこと
炊飯器はメーカーごとに特徴があるのに事前に試すことができない。ゆえに選んだ機種の炊き上がりが、その家のご飯になってしまう。
「メーカーごとの傾向はあるのですが、水加減を変えることで好みの炊き上がりを見つけられます」とさわけんさん。
まずはメーカーの標準から始め、水分量を変えていけばいい。
「もう一つ美味しいご飯を作るコツは、5.5合炊きであれば3合炊くことです。そして余ったご飯は保温を使わず、ラップに包んで冷凍することですね」
自分の買った炊飯器の実力を信じて、能力を最大限に引き出す使い方をしよう。
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本記事の内容はGoodsPress11月号34-35ページに掲載されています
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(取材・文/松尾直俊 写真/湯浅立志<Y2>)
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