■2000年代に「ユニクロ=フリース、フリース=ユニクロ」に
今から25年前、1994年に誕生したのがユニクロのフリースだ。それまでは、登山用として限られたシーンに向けて流通していたフリースを、誰もが気軽に着られるカジュアルウェアにして販売してきた。
マイルストーンは、1998年にユニクロ原宿店のオープンだ。当時、急成長を遂げて話題となっていたユニクロが原宿に出店し、フリースを目玉商品として打ち出したことで、多くの人々に認知され、一躍フリースブームが巻き起こる。
そして2000年には全50色のフリースを販売。テレビCMも放映されるなど、ユニクロのフリースは日本中に浸透し、「ユニクロ=フリース、フリース=ユニクロ」という認識を決定的なものにした。
その後も、軽くて暖かく、扱いやすいという本質的な魅力はそのままに、機能性・ファッション性の両面で進化を続ける。フリース素材を改良し、保温性や着心地を向上。定番品のディテールを見直し、より使いやすくアップデート。アーバンフリースや人気ブランドとのコラボレーションなど、あっと驚く新たなスタイルを提案した。
このように、ユニクロのフリースは常に新鮮さを持ち合わせており、飽きることがない。ゆえに、何着も持っているのに、毎年手に取ってしまうのだ。
■年表で見る、ユニクロ・フリース史
1994年:フリース誕生
ユニクロ自社企画のフリースを販売開始。
1998年:フリースが日本中に浸透
フリースを目玉商品とし、原宿店をオ ープン。原宿店1Fすべてをフリース売り場にし、1900円で販売。「フリースに自信あり。」のキャッチコピーで連日大行列となり、フリースブームが社会現象にまでなった。
2000年:全50色のフリースが話題に
フリース50色キャンペーンを展開。オンラインストアのオープンに合わせ、可動式ラックにかかった全50色のフリースのTVCMが放映された。50色もの豊富なカラバリで、好みのフリースが選べると話題に。特にピンクは、TVCMで取り上げられたことから、瞬く間に人気カラーとなった。
2001年:リバーシブルが登場
リバーシブルフリースを発売。ウエアだけでなく、手袋やスリッパといった小物も展開し、フリースの新たな価値を提供する。
2002年:デザイン性がアップ
柄物(プリントフリース)を発売。タイダイやチェック柄などが登場し、よりフリースコーデが楽しめるようになる。
2003年:マイクロフリースを発売
より薄くて軽い「マイクロフリース」を発売。これまで以上に着心地が良くなり、使いやすくなった。
2004年:高機能素材を採用
10周年となる2014年には、NASA採用の機能素材「アウトラスト」を用いたフリースを発売。宇宙飛行士の船外作業用に開発された生地で、寒くなると暖かく、暑くなると熱を逃がす特性を持っていた。
2006:MLBとコラボ
メジャーリーグベースボール(MLB)とのコラボモデルを発売。ワッペン付きなど、さまざまなチームのモデルを展開。
2008年:バルキーフリースが登場
シープボアをイメージした、ボリューム感のある「バルキーフリース」を発売。凹凸のあるモコモコとした風合いが人気を集めた。また、毛足が長くふんわりとした「ファーリーフリース」もウィメンズで展開された。
2009年:15周年を迎える
「前向き。ユニクロのフリース2009」キャンペーンを実施。デザインやカラ ーなどバリエーションを豊富に取り揃えた全172アイテムをラインナップ。
2012年:UUが大きな話題に
デザイナー高橋盾氏のブランド、アンダーカバーとコラボレーションしたコレクション「UU」を発売。ファッションに敏感な層もユニクロに押し寄せた。
2013年:アーバンフリースを展開
フリースでトータルコーデができる「アーバンフリース」を発売。この他、ファータッチやボアタイプなど、フリースの進化を感じさせる素材バリエーションが豊富に展開された。
2014:20周年を迎える
20周年を迎え、フリースが進化。保温性が向上し、従来商品と比べて衣服内温度が約1.5℃アップした。また、ユニクロ初の「防風フリース」も発売。
>> 秋の新製品NEXTヒット
本記事の内容はGoodsPress11月号54-55ページに掲載されています
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(構成・文/津田昌宏)
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