最新技術を搭載した注目の「復刻バイク」5選【買って正解大賞】

Q:バイクの復刻が続いてるけど、買って満足できる?

ここ数年、昔のバイクが続々復刻してバイク熱が高まっているけど、復刻したものって見た目だけでなく乗り味なども再現されているの?

【回答者】

モーターサイクルジャーナリスト
青木タカオさん
バイク専門誌編集部員時代から25年。ニューモデル登場の度にテストライドし、日本で購入できる現行機種はほぼ全て網羅。旧車に関する造詣も深く、愛車には1971年式カワサキW1SAもある。バイクの仕組みを解説する著書も発売中

 

A:フォルムやイメージは崩さず、現代のクオリティで復活。満足間違いなし!

復刻バイクは決して “懐古主義” ではなく、名車のフォルムと最新技術が融合した「ネオクラシック」と呼ばれる新ジャンルを築き、特にリターンライダーたちの間で爆発的ヒットとなっている。

バイクブームを知る年代にとっては、若い頃に憧れた名車たちに乗りたいのがホンネ。しかし中古車は故障が怖いし、当時より何倍も高いプレミアム価格が付けられているバイクも少なくない。だから今、復刻版が買いなのだ!

すると昨年、バイク業界に異変が起きた。251cc以上の年間販売台数で、長年首位の座に君臨していたホンダをカワサキが追い抜いたのだ。1997年の統計開始以来初の快挙で、その原動力となったのが2017年末に発売された「Z900RS」だ。見てわかるとおり、70年代の名車「Z1」そのまんま。普遍的なフォルムで、水冷4気筒エンジンは冷却フィンが刻まれ相変わらず美しいが、よく見るとフロントフォークが倒立式になっていたり、リアサスペンションがモノショック化されていたり、走りのキモとなる足まわりには最新テクノロジーが惜しみなく注ぎ込まれ、ABS搭載など安全性を高次元で確保。憧れのスタイルのまま、最新技術が用いられているので、久々のバイクだって安心して乗れる。

カワサキはWも進化させ、カタチを似せるだけでなく、乗ると昔ながらの豪快な音や大らかでパンチの効いたエンジンフィーリングが味わえ、リターン組が求める懐かしさを両車とも感じるから大ヒットも頷ける。

今秋は、他社も負けじとクラスを問わず復刻版が目白押し。各社、正規販売店で有料のレンタルサービスを実施中なので、乗り味を確かめてから購入というのが今どきの賢い買い方だ!

 

1. マニア垂涎、カワサキZ列伝再び!

【最新モデル】

Kawasaki
「Z900RS」(135万3000円~)

【The Origine】

「Z1」(1972年)

1000万円超えの値札も付くほどの超プレミアムモデルが「900SUPERFOUR Z1」の初期型 “火の玉タンク”。量産市販車初のDOHC並列4気筒エンジンを搭載し、1972年に海外向けとして登場すると、ズバ抜けた最高出力(82ps)と丈夫さで世界市場を席巻。レースでも大活躍し、日本製大排気量車=高性能を世界に知らしめた。そんなバイクファン垂涎の1台を現代の技術で復刻したのが「Z900RS」だ。

▲低中回転域では図太いトルク、高回転まで引っ張り上げれば、4発エンジンらしい胸の空く伸びと官能的なサウンドが味わえる

▲バイクファンなら泣いて喜ぶ、丸みを帯びた火の玉タンクを再現。立体エンブレムとのマッチングは、これだけでもう価値大!

 

2. あの “ダブワン” サウンドが帰ってくる!

【最新モデル】

Kawasaki
「W800 STREET」(101万2000円~)

【The Origine】

「650 W-1」(1966年)

カワサキといえばZ、いいやW1(ダブワン)だというコアファンも決して少なくない。Z1誕生前の1966年に国産最大排気量車として発売され、ビッグバイクの最大市場アメリカへも輸出。ヒットには至らなかったが、国内では白バイに使われるなど憧れの的に。ケタ違いの振動とレコード化もされたほどの美しい音色で、旧車好きの間で伝説となっていたが、現代版はオシャレさもプラス。こだわったのは、やっぱりサウンドだ!

 

3. 究極のサバイバルバイクが蘇る!

【最新モデル】

Honda
「CT125」(価格未定)

【The Origine】

「CT110」(1981年)

丈夫で壊れないスーパーカブの走破性を活かしつつ、川も渡れるようマフラーや吸気口をアップ仕様にし、大きな荷物も運べるようキャリアは真っ平らでデカイ。海外では狩りにも使われたことから “ハンターカブ” の異名を持つCTが待望のリバイバル。行けない場所はない!

 

4. 忘れていた冒険心を取り戻せ!

【最新モデル】

YAMAHA
「Tenere700」(価格未定)

【The Origine】

「XT600テネレ」(1983年)

毎年、お正月の夜になるとTVでダイジェストが流れたパリ・ダカールラリーを覚えているだろうか? あの頃、活躍したアドベンチャーバイクがヤマハ「テネレ」。砂漠を越える壮大な命がけのレースに、ときめいた頃を想い出そう。700cc並列2気筒エンジンで復活し、バカ売れの予感。

 

5. ワルたちよ、最新版はダークカスタムだ

【最新モデル】

Harley-Davidson
「LOWRIDER S」(244万900円~)

【The Origine】

「LOWRIDER」(1977年)

【復刻モデル】

「LOWRIDER S」(2016)

ハーレーはオジサンが乗るもの、その定説を覆した張本人が1977年に発売されたローライダー。低く身構えたシルエットと、ゆったりと乗る乗車姿勢が先鋭的な若者たちに支持され、ストリートの相棒に。そして約40年後のSバージョンは、なんと全身をブラックアウト。ダークカスタムと呼ばれる最新トレンドが反映され、あっという間に完売したが、Vツインエンジンを1868ccにまで拡大し再びカムバック。

 

>> 【特集】買って正解大賞

本記事の内容はGoodsPress12月号56-57ページに掲載されています

 


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(文/青木タカオ 写真/安井宏充 )

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