軽からスポーツモデルまで!今年話題をさらった国産車5選【2019年まとめ④】

1. マツダ MAZDA3ファストバック/MAZDA3セダン

▲MAZDA3ファストバック

先代までのアクセラというペットネームを捨て、世界共通のネーミングに変更されたMAZDA3。マツダはこれを皮切りに、デミオをMAZDA2、アテンザをMAZDA6というネーミングに変更するブランド戦略を展開します。

そんなマツダの魅力を聞かれたら、多くの人が“デザイン”を挙げるはず。マツダはスカイアクティブテクノロジーをフル搭載した初代CX-5(2012年)から「魂動-SOUL of MOTION」というデザインコンセプトでクルマを開発。新型MAZDA3では魂動がさらに深化。「引き算の美学」という考え方で、デザインに余白を持たせ、光の濃淡でクルマを立体的に見せるように。

これは日本の枯山水などにも通じるもので、メルセデス・ベンツなども採用している考え方です。

実際、店頭などでMAZDA3を見ると、どこか吸い込まれるような美しさを感じます。ボディタイプはアクセラ時代からの伝統でファストバック(ハッチバック)とセダンが用意されていますが、ファストバックのほうがよりMAZDA3らしい美しさを備えているように思います。

▲MAZDA3セダン

もちろん走りの面でも大きく進化。話題となったのは世界初の技術であるSPCCI(火花点火制御圧縮着火)を実現し、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの良さを併せ持つスカイアクティブXエンジン。ただ、スカイアクティブX搭載グレードは当初の予定より遅れ、2019年12月5日からの発売となりました。また、価格も319万8148円からと、かなり高価になってしまいます。

試乗して「これしかない!」と感じたら迷わずスカイアクティブX搭載モデルを買うべきですが、デザインと実用性を求めるならファストバックの2Lガソリンエンジンがオススメ。ディーゼルほどのパワーはないものの、シャープでスポーティな走りを存分に味わえます。

 

2. トヨタ スープラ

約17年ぶりにその名が復活。新型スープラのデビューは往年のファンにとってビッグニュースだったはず。BMWとの共同開発で、Z4とプラットフォームを共有するスープラ。その経緯からどうしてもZ4と比べられますが、クーペとオープンというボディ形状の違いを差し引いても、スープラに独自の雰囲気を持たせることに成功したのはすごいことです。フロントやリアのシルエットに80系スープラの面影を見ることができるのも嬉しいですね。

スープラは2L直4ターボを搭載するベースグレードのSZ、そのエンジンをチューニングして最高出力190kW(258ps)/最大トルク400N・m(40.8kgf・m)まで高めたSZ-R、そしてスープラの伝統である直6ターボを搭載するRZの3種類を用意。もっとも人気があるのはもちろんトップグレードのRZです。

乗り味は大きく異なり、RZは余裕のパワーで余裕ある走りを楽しめるグランドツーリングモデル、SZ-Rは鋭くワインディングを攻められるピュアスポーツという印象。購入を検討している人は、なんとかしてすべてのグレードを乗り比べ、自分の感性にビタッとハマる1台を選んでください。

 

3. ダイハツ タント

日本の新車販売台数ランキングで長年不動の第1位だったホンダN-BOXの牙城をついに崩したタント。

現在の軽自動車の標準となっているスーパーハイトワゴンという市場を開拓。2代目からは助手席側ドアにピラーを内蔵し、スライドドアと助手席ドアを開けると驚くほど大きな開口部が現れる“ミラクルオープンドア”を採用しました。3代目、そして新型となる4代目でもそのコンセプトを継承。新型は家族だけでなくすべての人にやさしいクルマを標榜しています。

ダイハツは新世代のクルマづくり「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」を発表。それに基づく第一弾モデルがタントです。最大のトピックはプラットフォームとエンジン、CVTが一新されたこと。これが秀逸で、コーナーでのふらつきが少なく、また、信号からの発進などでもパワフルに加速します。ターボはもちろんですが、NAでもこの感覚を味わえることが驚き!

先進安全装備も15個の予防安全機能を搭載した新世代スマートアシストに進化。全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール、レーンキープコントロール、スマートパノラマパーキングアシスト、パノラマモニター、サイドビューランプがプラスされました。

運転席から後部座席にアクセスできる機能、クルマに近づくとスライドドアが自動オープンする機能などの便利装備も充実。家族みんなが笑顔になれる軽自動車です。

 

4. 三菱 eKクロス

日産と三菱の合弁会社であるNMKVが企画・開発をマネジメントした日産デイズ/三菱eKシリーズ。第40回 2019-2020日本カー・オブ・ザ・イヤーではスモールモビリティ部門賞を受賞するなど、その性能は高く評価されています。

日産デイズと三菱eKワゴンのデザインはグリルが異なるだけですが、上位モデルとなるデイズハイウェイスターとeKクロスはそのコンセプトを大きく変えてきました。ハイウェイスターが上質さを打ち出したのに対し、eKクロスは三菱のデザインアイデンティティであるダイナミックシールドを採用したSUVテイストを前面に押し出したデザインに。

三菱はこれまでにアウトランダー、デリカD:5、エクリプスクロスなど、ダイナミックシールドを採用したモデルを多く世に送り出しています。eKクロスはその中でもっとも小さなモデルになります。しかしダイナミックシールドのおかげか、存在感が際立ち、軽自動車とは思えないほどの力強さがにじみ出ています。個人的には三菱のモデルの中でダイナミックシールドがもっとも似合うモデルではないかと感じるほど。

プラットフォーム、パワートレーンが一新されたことで、とくに高速道路などでの安定感のある走りが秀逸。高速道路同一車線内運転支援技術のMI-PIROT(日産プロパイロットの三菱版)も制御がかなりよくなっています。

デイズシリーズに比べると販売台数はかなり少ないですが、それだけに街中で目立つこともできますよ。

 

5. 日産 スカイライン

一般的にこのような企画では、フルモデルチェンジを行った文字通り“新型車”を選ぶもの。しかし今回はあえて“マイナーチェンジ”を行ったスカイラインを紹介します。

2013年11月に発表されたスカイラインはハイブリッドをラインナップし、インフィニティバッジをつけるなど高級路線を進みました。残念ながらこの方針は成功したとは言えず、販売台数は低迷。自動車メディアが不人気車を紹介する企画を行うと、必ずスカイラインの名前が入っている状態になってしまいました。

そんな状態を打破するために、2019年7月に発表されたマイナーチェンジモデルは、日産の最先端技術であるプロパイロット2.0を世界初搭載。常に時代の最先端技術を投入するというスカイラインの伝統をファンに強く意識させました。

プロパイロット2.0は7個のカメラ、5個のレーダー、12個のソナーで周囲を360度センシング。さらに高精度3D地図データを用いることで、高速道路に乗ってから出口まで追い越しや分岐などを含めて運転支援します。そして走行中のハンズオフドライブも可能になりました。

プロパイロット2.0はこのハンズオフドライブが目玉と捉えられがちですが、実際に体験すると、走行中の制御が飛躍的によくなっていることに驚きます。3D地図データにより事前にカーブや傾斜など道の状況を把握して速度コントロールもできるようになったからでしょう。筆者は日常的にクルーズコントロールなどを使う習慣がないため運転支援技術をテストする際はどこか構えてしまうのですが、プロパイロット2.0は安心してクルマに身を任せられる感覚に心地良さを感じました。

デザインは日産のアイデンティティであるVモーショングリルを採用するとともにインフィニティから日産エンブレムに変更。テールランプは伝統の丸目4灯を採用。また、プロパイロット2.0は搭載されませんが、スカイライン史上最高となる405psを発生する400Rを設定。往年のスカイラインファンを熱くさせる内容を取り入れたのも嬉しいですね。

 

>> [特集]2019年まとめ


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(文/高橋 満<ブリッジマン>)

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